読みやすいウンチク小説

熱帯魚愛好家「アクアリスト」の二人が繰り広げる青春グラフィティ。

アクアリストが趣味の主人公は、行きつけのショップでクラスメイトが熱帯魚を眺めているのを発見する。
興味があるのか聞いてみると、「一人が寂しいから飼いたい」とのこと。
しかし、まったく知識がないので不安は募る。
ヒロインは、主人公に自分を指導してくれないかと頼む。

腐れ縁の友人や、水草のレイアウトにお嬢様に囲まれ、主人公とヒロインは絆を深めていく。
後に、四人は学校からの依頼で、アクアリウムの部活を立ち上げることとなった。

いわゆる「ゆるキャン」や、今年アニメ化する「スーパーカブ」のような、
「おっさん趣味にハマるJK」
ものである。

たいていの趣味系小説は知識・ウンチクに文章が偏りがちだが、本作は決して退屈しない。
必要な知識が進行とともに語られるので、構成が実に丁寧だ。
なので、自然と知恵が頭に入るため、ストレスがない。
専門用語が多いのだが、そこまで頭がパンクしないので、楽しめるかと。

相手の家にお邪魔する、お祭りを二人で回るなどの、ドキドキ百合イベントやハプニングが豊富である。
あまりベタベタせず、本格的な百合とはいい難いが、個人的にはこれくらいの百合がちょうどいい。

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