第6話 兄と弟(優くんside)
暁直哉(あかつき なおや)sideーーー
優へ。
お前、海里ちゃんのこと大事にしてやれよ。
元気だし、良い子だし、料理上手いし。
今、海で遊んでんだろ?
なら、待っとけ。
いつか兄ちゃんも風花と一緒にいくから。
海里ちゃんのこと、捨てんじゃねーぞ?
もし捨ててたら兄ちゃんがお前を
ぶん殴ってやる。
風花も美人だし、良い奴だから
お前らも受け入れてくれよ?
ま、海里ちゃんにしたら姉貴だからな。
お前の義理の姉貴になるかもしんねぇし。
とりあえず、お幸せに。
P.S.
そろそろ親父がそっちにいくみたいだ。
加齢臭するかもしんねぇから、
気ぃつけろよ。
お前の偉大なる兄ちゃん、直也より。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
暁直哉は、ペンを置く。
手紙を引っ掴み、瓶に入れると、
自宅近くの海へそれを放り投げた。
ビンはゆらゆらと揺れ、突如ふっと消えた。
「………ちゃんと見ろよ、優」
海の見える《白い監獄》 匿名希望 @YAMAOKA563
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