血生臭さのない殺戮者

自殺願望の陽。大雨の日に出会った獣の彼女と奇妙な共同生活が始まり……。

物語を読んだあともう一度タイトル「此岸の獣」を見ると、あぁと思い至ります。
彼女は彼岸ではなく、此岸の存在で、そして確かに陽もまだ此岸にいる。

とても短い作品なのに完成度は高く、物語が包含する謎も、明らかな殺人も、それらを追及し咎めようと思われない不思議な感覚になりました。
ぜひ、ご一読ください!