一人の少女の精神が、双葉から新しく茎を伸ばそうという時、一人の男の精神は朽ちかけていた。 主人公のずば抜けた感性と柔軟さが『先生』を包み込み、暗闇にフラッシュを当てて彼の精神に潜む陰影を浮き彫りにする。 賢いく一途で、しかしどこか幼なさを残す主人公の心理が『先生』にためらいがちながらも少しずつ近寄る姿が素晴らしい。 写真文学といって良い傑作。
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