第26話 武器調達
六色聖剣をはじめ、ゴールドシュタイン帝国を代表する冒険者パーティーは、ことごとくヴァイスに叩きのめされた。その中で、もっとも長く戦い続けることができたのが六色聖剣で、次はミュラー・カウフマン率いる「
そしてそれ以上に大きな問題があった。それが装備である。六色聖剣はヴァイスから渡されたDODの装備を身に着けているため、全員のステータスが底上げされている。だが他の冒険者たちの装備は酷いものであった。一般庶民が使う包丁に毛が生えた程度で、現実世界でいうところの「鉄製の普通の剣」と同レベルである。DODの基準から見れば「初回ログイン配布の装備以下」であった。
「低層のゴブリンが使う錆びた剣と大して変わらん。こんな剣で金貨数十枚だと? ボッタクリにも程がある」
呆れたヴァイスは、帝都でも指折りの名工と呼ばれる鍛冶職人の店に向かっていた。レイナたち六色聖剣の「かつての武器」を手掛けた職人らしい。
「いい、ヴァイス。ベルジニオさんは気持ちのいい人だけれど、鍛冶職人として自分の腕に自信を持つ誇り高い人よ? 失礼のないようにね?」
「ハッ…… あんなナマクラを造っておいて腕に自信? 誇り高い? ただの傲慢だろ。まぁいい。俺は、鍛冶自体はできないが知識なら持っている。まずは店に行こう」
そしてそこで、ヴァイスは「この世界の鍛冶の現実」を見せつけられるのであった。
帝都にある鍛冶通りに面した店に、ヴァイスとレイナは入った。店構えを見てヴァイスは頷く。飾られている武器の品質はともかく、見た目は悪くはないと思った。ゴテゴテとした装飾はなく、実用第一を考えている。DODのサブアカウント「コンラード・ゾーリンゲン」の店も、一見すると鍛冶屋とは思えないほどに慎ましい店造りをしていた。もっともサブのため、課金を殆どしなかったという理由もあったが……
「ベルジニオさん、お久しぶりです」
「お、誰かと思えばレイナ嬢か。最近、さらに活躍しているそうじゃのぉ。儂も鼻が高いわい。ん? そっちの男は仲間……ではないの。六色聖剣が男を入れるなど考えられん。とすると、ようやくレイナ嬢も身を固めることにしたのかのぉ?」
店のカウンターで剣の手入れをしていた初老の男が立ち上がり、笑みを浮かべている。茶色い口髭を生やしているが、半分以上が白い。だが体は締まっている。長年、鎚を振ってきたためか、腕の筋肉は凄まじいものであった。
ベルジニオに揶揄われたレイナは、顔を赤くしながら以前に使っていた剣を机の上に置いた。ベルジニオは鞘から抜いて怪訝な表情を浮かべる。
「よく手入れされている。刃毀れもないし、柄の糸も解れていないようじゃが?」
「その……」
「そのナマクラは使い物にならないから返す。金は返さなくていい」
言いにくそうにしているレイナに代わって、ヴァイスは飾りのない直截的な言い方で要件を伝えた。慌てるレイナだがもう遅い。ベルジニオは顔を赤黒くした。
「……お前さん、いまなんて言った? 齢を取ったからかのぉ。よく聞こえんかった」
「そうか。ならもう一度言ってやる。それはミスリルを無駄遣いしただけの棒っ切れだから、冒険にはまるで使えん。レイナは今後、俺が渡した剣を使う。俺の知り合いが鍛えたものだが、そのゴミとは比較にもならん。捨てればいいと言ったんだが、レイナは義理堅く詫びに来たというわけだ。聞こえたか?」
ベルジニオは怒りのあまり、拳を握りこんで震えていた。その様子にレイナが必死に詫びるが、ヴァイスが肩を掴んでレイナを退けた。ベルジニオの前に立つ。
「冒険者にとって、武器はなによりも大事な相棒だ。地上を徘徊する雑魚ならともかく、あんな低級の剣じゃ、中級ダンジョンには通用しない。怒るのなら、客を満足させられない未熟な己の腕に怒るのだな」
「……スマンなレイナ嬢。お前さんの知り合いだから我慢していたが、もう限界じゃ!」
ベルジニオは拳を振り上げ、ヴァイスに殴りかかった。左頬で、その拳を甘んじて受ける。常時発動スキル「上位物理攻撃無効化」は使っていない。もっとも、素の物理防御力が高いためHPはまったく減らない。DODの「爽快ウォッカ」は、鍛冶職を身に着けていない。だがサブアカウント「コンラート・ゾーリンゲン」は、神匠まで育て上げた。職人に対する敬意はある。だがそれだけに、ナマクラで満足している目の前の男にイラついていた。
「俺に怒りを向けるのなら、せめてこの程度は作れるようになれ」
そう言ってヴァイスは、アイテムボックスから剣を一振り、取り出した。
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装備名:ショートソード
種類:片手剣
装備Lv:なし
装備ランク:紫
攻撃力:+25
効果:力上昇(中)
速度上昇(小)
製作者:Conrad Solingen
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サブアカウントが作成した「鋼鉄製の剣」である。鍛冶師レベルが八〇になれば、簡単に手に入る素材で「紫ランク」の装備を作成できるようになる。基本職である鍛冶師でさえ、紫ランクが作れるのだ。名工と呼ばれているのに、緑ランクというゴミで満足しているようでは、羊頭狗肉ではないか。
「こ……こいつは……」
ベルジニオは差し出された剣に眼をカッと見開いた。微かに震える両手で、その剣を受け取る。剣を手渡したヴァイスは、懐から
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Name:ベルジニオ・ボッジ
Level:141
Job:名工
最大HP:3908
最大MP:1374
状態異常:無
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(やはり名工か。鍛冶職の上位職だな。物理効果を付与できる。だが神匠になるには、これに調薬技師とアイテム加工師、そして魔導技師、さらに戦士、魔法、僧侶も加えなければならん……この世界では無理か? それにしても、名工ならば紫ランクくらい簡単に作れるはずだが?)
DODの生産職には農業はない。そうした食品系生産職は「各食品メーカー」が担当している。また生活雑貨類も各家電メーカーが担当していた。ポーションやスクロール、マントや指輪などの装飾系アイテムまで作れるのが「神匠」である。
神匠になるには、加工する素材のランクも重要になってくる。レア素材を加工することで、経験値が入るのだ。この世界では「アダマンタイン」が最高ランクの素材のようなので神匠になるのは難しい。
(ドラゴンの牙や魔石もよい経験値になるはずなんだが…… あ、そうか)
「この剣は、誰が鍛えたものじゃ? 教えてくれ!」
考え事をしていたヴァイスに、ベルジニオが詰め寄ってきた。必死の形相である。
「銘が刻まれてるだろ。コンラート・ゾーリンゲンという男だ。俺の知り合いでな」
「ゾーリンゲンじゃと! コレは一大事じゃ! スマンが、儂についてきてくれ! 鍛冶ギルドに行きたい!」
ヴァイスとレイナはお互いに顔を見合わせて頷いた。
バンッと激しい音を立てて、ベルジニオは鍛冶ギルドに駆け込んだ。受付の女性が険しい表情を浮かべる。
「ベルジニオさん! 扉の開閉は静かにといつも……」
「それどころではないわ! ドルトンの奴はおるか! 大急ぎじゃ!」
ギルド中に響くような怒鳴り声をあげる。通りを行き交う人も「何事か」と足を止めるほどであった。
「やかましいわい! ベルジニオ、お前さんは仮にも名工と呼ばれておろうが! もう少し落ち着かんかい!」
負けないくらいの怒鳴り声が響き、上の階からドシドシと男が下りてきた。ベルジニオの後に入ったヴァイスは思わず笑みを浮かべて呟いた。この世界で初めて見る種族だったからだ。
「ドワーフ族……」
その呟きが聞こえたのか、降りてきた男がヴァイスに視線を向けた。そして値踏みするように観察する。そして何かに感心したように「ほう」と呟いた。
「ドルトンッ! この剣を見てくれ!」
「ん?」
ドルトンという男はヴァイスから視線を外し、ベルジニオから剣を受け取った。スラリと抜いて、鑑定を始める。ベルジニオの時とは違って、驚愕したり慌てたりはしない。
「……素材は鋼鉄製だが、特殊効果が二つも付与されている。鋼の鍛え方も違う。炭薪だけじゃ、この硬度と輝きは出ねぇ。余程の名工が鍛えた会心の一振りってところか」
(いや、サブ垢初日で作ったやつです。駄作なので一度も使ったことありません)
ヴァイスの心中とは裏腹に、ドルトンという男はポケットから片目レンズまで取り出して、柄から剣先まで丁寧に観察し始めた。
「問題は、刻まれている銘じゃ。儂には読めぬが、ゾーリンゲンと読むらしい」
「ゾーリンゲンだと? あの、ゾーリンゲンか? ルドルフ王の剣を鍛えたと伝わる、あのゾーリンゲンなのか?」
「いや、同じ人間かはわからぬが……」
二人がヴァイスに視線を向ける。レイナも驚いたようにヴァイスを見つめていた。ヴァイスはどう答えるべきか迷ったが、嘘で誤魔化すことにした。
「ルドルフ王の剣は八〇〇年前から伝わるんだろ? 同じはずがないだろ。ただ、血筋は引いているのかもしれん」
「その者はどこにいるのじゃ?」
「遠くだよ。ずっとずっと…… 遥か、遠くだ」
「……そうか。スマンな。悪いことを聞いた」
遠い目をして呟く。その眼差しに二人はなにか事情を察したようで、それ以上は追及しなかった。もっとも、それは完全に誤解であるのだが。
(俺が苦労して手に入れた激レア素材やアイテムの半分は、サブ垢が持ってるんだぞ! 闘神の街にある店が心配だ。盗難防止結界の持続時間は七二時間。もう全部盗まれてるだろうなぁ…… 大損だよ、クソ運営が!)
「まぁそれでだ。俺としては最低でも、その剣くらいの質を求めている」
「無理じゃ。悔しいが、儂の技量を超えておる。この剣を超えられるとしたら、カネツグくらいであろう」
「カネツグ? 確か
「そうじゃ。カネツグはその生涯で多くの剣、鎧を鍛えた。その大半は皇族や各貴族が家宝としておる。特にカネツグの剣は国宝であり、皇帝陛下が代々受け継ぐ剣も、カネツグが鍛えたものじゃ」
「このギルドにもあるのか?」
「一振りだけじゃがな。片刃の曲刀がある」
ドルトンに続いて二階へと上がる。どうやら目の前のドワーフはギルド長のようだ。個室に案内されると、机の向こう側に一振りの「日本刀」が飾られていた。その剣の前に立って、鑑定の魔法を呟く。
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装備名:鬼斬り
種類:太刀
装備Lv:100
装備ランク:橙
攻撃力:+55
効果:力上昇(中)
速度上昇(中)
状態異常耐性(中)
製作者:一文字 兼継
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「……無念だっただろうな」
ヴァイスは思わず呟いた。後ろの三人が首を傾げるが、ヴァイスはただ目の前の日本刀を見つめていた。
(この世界ではロクな素材が手に入らない。ダンジョンは初心者級で、鉱石はアダマンタイン程度…… もっと良い素材があれば、それを調達できる冒険者がいれば、もっと凄い剣を作ることができるのに。そう思いながらも、いまできる最大限のレベルを目指して試行錯誤していたんだろ? アンタが単身でアガスティア山脈に入ったのも、それが理由だったはずだ)
「カネツグは鍛え方について何か言っていなかったか? 装備に付与効果を与える技術を確立したのなら、魔石をくべた『魔炎』を教えたはずだ」
「その通りじゃ。粉砕した魔石を炎に入れると、より良い剣になる。カネツグはそう提唱し、実際にやって見せた。じゃが費用の割には、その効果は微々たるものであった。そのため今では、客が依頼しない限り、魔石は使っておらん」
ヴァイスは背を向けたまま頷いた。低レベルダンジョンで手に入る魔石なんて、鍛冶で使ったことなどない。紫ランク以上を求めるのなら、最低でもレベル五〇〇以上の魔石でなければならない。おそらく目の前の太刀は、アガスティア山脈で手に入れた魔石を使ったのだろう。
「お前さんに言われた通り、腕の良い鍛冶たちを集めたが、何をするんじゃ?」
ギルド一階の受付には、一〇名の鍛冶師たちが集まっていた。人間もいればドワーフもいる。いずれも鍛冶レベルは一〇〇を超えており、上位職である名工となっている。
「この剣を超えるものを作ってもらいたい。素材は俺が用意する」
自分が鍛えた紫ランクの剣を手渡す。全員が食い入るように、その剣を回し見る。皆が呻き声をあげて、首を振る。
「いまの素材では無理だ。六〇〇年前、カネツグは自分が満足する素材を手に入れるために、アガスティア山脈に入り、ドラゴンを仕留めた。鍛冶で最も重要なのは、炎の質だ。より希少な魔石を使い、魔炎を生み出す。その炎が、高ランクの装備を作り出す。だから、俺が用意するのはそこらのダンジョンで落ちている低級な魔石ではない。最上級の魔石だ」
アイテムボックスを操作する。レイナを前に実験し、これが見えていないことは確認済みだ。魔石がズラリと並ぶ画面を見ながら少し悩む。
(量も必要だからな…… 奮発するか)
ヒト一人では持ち上げられないほどの巨大な魔石がドンと床に落ちる。その大きさは、もはや石ではなく巌であった。深紅に輝きを放つ魔石は、その大きさとあいまって圧倒的な存在感を示している。
「ヴ、ヴァイス……これは?」
レイナの声も震えている。魔石の大きさと輝きからして、途方もない魔物の魔石であると感じているからだ。
「これは
「なに考えてるの! こんなのここで出したら……」
だが時すでに遅く、鍛冶師たちは全員が巨大な魔石の前に両ひざを折っていた。
「お、おぉぉ…… わ、儂はいま、素晴らしいものを目にしている。素晴らしい……」
「なんという魔石じゃ。これほどの魔石、見たことがない。聖フェミリアよ、今日という日を迎えられたことを、貴女様に感謝申し上げます。うっ……うぅぅっ」
中には泣き出す者までいた。最高の素材とのめぐり逢いは、鍛冶師にとって無上の喜びである。それは神匠であろうとカネツグであろうと、この世界の鍛冶師たちであっても同じであった。
「コイツを全部使ってくれて構わない。それとミスリルとオリハルコン、アダマンタインだな。インゴットは持っていないから、鉱石から作ってくれ。取り合えず、荷車二台分くらいでいいか?」
(どれくらいあるかな? アイテムボックスの数字と比べないと…… ゲッ、ミスリルだけで三つも埋まってる。二五〇〇〇以上あるのかよ。最近サボり気味だったからなぁ)
取り合えずアイテムボックスの数値で、一だけ出してみる。するとドコドコと鉱石が床に落ちた。
「荷車一台だと、およそこの五倍か」
「待て待て待て待て! あまりのことで、頭がついていかん! ちょっと落ち着かせてくれ!」
ドルトンが慌てて止めに入る。コンソールから顔を上げると、全員が頷いていた。
「まったく。なに考えてるのよ。あんな巨大な魔石や、ミスリルやアダマンタインの鉱石を渡すなんて。荷車二台分なんて、どれだけの価値があると思ってるのよ! そりゃ、貴方にとってはたいして価値がないかもしれないけれど」
鍛冶ギルドでの用事を終わらせたヴァイスとレイナは、王都の繁華街にある洒落た喫茶店でハーブティーを飲んでいた。だがレイナはプリプリと不機嫌そうな表情を浮かべている。
「なにをそんなに怒ってるんだ? みんな納得していたし、やる気になっていたじゃないか」
「怒ってるんじゃなくて、不安なの! ヴァイス、貴方はこの依頼を受けてから、少し変だわ。なにか、生き急いでいるみたい。アガスティア山脈の攻略なんて年単位の時間がかかるわ。なにをそんなに焦っているの?」
ヴァイスは茶が入った器を置いて、レイナを見つめた。やがて意を決したように少し声を落として、自分の心中を吐露する。
「レイナ。もう気付いているかもしれないが、ルドルフ王、そして鍛冶師カネツグは俺と同じ世界の出身だ」
「えぇ。なんとなく、そんな気がしていたわ。ルドルフ王の伝説も、単身で龍を倒したというカネツグの話も、貴方と同じだと考えれば説明がつく」
ヴァイスは頷いて、話をつづけた。
「俺がいた世界には、スリーナインというダンジョンがあった。百層まであり、出てくる魔物はすべてレベル九九九、俺と同等のレベルだ。最悪最凶のダンジョンと呼ばれていた。さっき出した魔石も、このダンジョン九〇層で得たものだ」
「百層まであることが判明しているのは、そのダンジョンが討伐されたから?」
「あぁ…… だがこのダンジョンは討伐しても復活する。つまり消えることがない。だから俺がいた世界では、強者たちが幾度もこのダンジョンに挑み、そして幾度も討伐した。俺も、百回以降は数えていない」
「そんなダンジョンがあるのね。でも、それがどうしたの?」
「ルドルフ王が残した記録では、このスリーナインが、アガスティア山脈にあるらしい」
「えっ?」
レイナの顔色が変わる。そんなダンジョンからもし魔物が溢れ出てきたら、帝国はおろか世界が滅びかねない。戦えるのは、目の前にいる男だけだろう。
「スリーナインは確かに厄介だが、討伐できないダンジョンではない。実際に俺も、第九九層までは単身で進むことができる。レベル九九九といってもピンキリなんだ。極端な話、武器さえ揃えればレイナでも、上層の魔物とは戦えるだろう。だが最下層、百層は違う」
レイナの喉がゴクリと動く。
「第百層は、俺と同等の強さの奴が最低でも一人、できれば二人以上欲しい。だが、そんな奴はいないだろう。となると、俺一人で戦う必要がある。良くて、引き分けに持ち込むのが精いっぱいだ」
「……ヴァイスでも、勝てないの?」
ヴァイスは首を振って、自嘲するように笑った。
「無理だ。スリーナインが最悪最凶と呼ばれるのは、第百層のダンジョンマスターが別格だからだ。本来なら少数で挑むような相手じゃない。レイドボス……レベル999が数十人がかりで戦うような奴なんだ。普通なら放置する。だがモンスターパレードという現象がこの世界にはある。いつコイツが外に出てくるかわからない。放っておくわけにもいかないだろう?」
レイナは、男がどうして生き急いでいるのか理解した。自分が愛する男は、命がけでその最悪のダンジョンに挑むつもりでいるのだ。
「ダメよ、ヴァイス。そんなダンジョンに入っちゃダメ。大丈夫よ。ルドルフ王の時代からだから、もう八〇〇年も落ち着いてるじゃない。きっと大丈夫……」
だがヴァイスは首を振った。今まではそうだったかもしれない。だがダンジョンが変化し始めている。より深く、より強くなり始めている。将来のことは誰にもわからないのだ。
「万一でも外に出れば、世界が滅びる。放置はできないだろう。戦う理由がそこにある以上、俺は戦う。俺は
男の決意の前に、レイナはなにも言えなかった。
Grand Brave ~転生勇者の無双伝説~ 篠崎 冬馬 @toma_shinozaki
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