鏡を割ったらお菓子の国だった
面堂フライ
鏡を割ったらお菓子の国だった
世界とはなんだろうか、私はふと、考えてします。例えば「生きる」ことが世界なのか例えば「好きなこと、趣味」をするのが世界なのか。考えは人それぞれで答えはない。答えがない問題ほど面白いものはないだろう。 答えを見つけるのが楽しいなら問題の答えもないほうが「世界が平和」とも考えられる。 楽しいならそれでいいじゃないか、思ってしまう。
土曜の昼後、12時の鐘がなった。 私は一人、さびれた町にきていた。田舎の駅前だ。なぜここに来たかは、正直わからない都会に最近引っ越しきた、私には
騒音」がとても苦痛だった。都内から電車で1時間程度、人の気配が全くない町、寂れた町に来た。店は軒並みシャッターがしまっている。開いてる店はほとんどない。駅を出て、周りを見渡した時の、イメージだ。 印象と言うものは大切で。それを見て人は想像する。 駅前の喫茶店が一件開いてた。迷わず、そこで昼食を取ると決めた。 外見はレンガ作りで、軽く崩れ落ちてる。お世辞にも綺麗とは言えない。そして、店の中には入った。 店の店主だろうか60歳ぐらいのおじさんがいた。 「いらっしゃ」と一声、とても元気だった。奥の窓側の席に案内されたテーブル席だ。メニューは手書きで個人経営の店の特徴が見えた。コップ一杯の水がだされ、少し眠気があった。私はメニューを見て昼食を決めた。「ケーキセット甘さ多め」少し違和感があった。なんだろうかこの「ケーキセット甘さ多め」だけ、字がほかのメニューと字が若干違う。怪しいが、この時はそれほど考えてなかった。甘いものが食べたいから甘さ多めのケーキはとても良い気がした。 店主を呼んで注文を頼んだ。 「この、ケーキセット甘さ多めで」店主はうなずいて店の奥に消えていった。 違和感は確かにあった。
カウンターや厨房に行くものだと思ってたからだ。私は窓から外の世界を見ていた。相変わらず、人がいない町、この世界に私、一人だと思わせるような光景だ。
どれぐらい、経つどうか10分それぐらいか、店主が来た。「ご注文のケーキセット甘さ多めです」 「こ。これですか・・」と思わず言ってしまった。ケーキではないからだ。 小さな丸い手鏡が出てきた。驚きだ。これは食べ物ではない。食べれる人が世界には何人もいないだろう。「あの・・ケーキセットは?」と店主に尋ねると、「お客様、奥の部屋にどうぞ、ご用意させていただいてます。特別な品なので、手鏡をもってついてきてください。」 この人は一体何を言っているのだ。「奥の部屋?」と言っていたが、何をされるかわかったものじゃない。私は「ふざけるな」と言って手鏡を床に叩きつけた。恐怖と不愉快さにとってしまった行動だった。鏡が割れ、破片が散乱してしまった。床に目を向けると、ガラスの破片だらけだ。目を戻し店主を見た。いなかった。そもそも店の中ではなかった。
ふんわりした白い雲のようなところにいた。とても甘い匂いがした。 赤い大きな山らしきものが近くにある。甘酸っぱい匂いがした。すぐに状況が飲み込めた。飲み込みたくはなかったかもしれない。だって、ショートケーキの上にいるのだから、よく見ると周りにはクッキーや飴が飛んでいた。空間そのもは明るくて表現しにくい色だ。 ケーキの先端に行き下を見たら、同じようなお菓子や甘い物や果物がいっぱい散らばっていた。緑が多いメロン。種の大きさが異常なほど大きいスイカ。空飛を飛ぶクッキー。チョコレートの川だろうか、間を縫うように流れてた。
「お菓子の世界、おかしな世界。」気分が高まってきた。「なんか帰りたくないな」と思ってしまった。当然かもしれない。ここに居れば争いもトラブルもない。仕事もしなくていい。自分一人の世界だから。 私は焦りながらも考えた。帰り方がわからない。 思い出してみると、喫茶店のメニューの字が確か違った。何かの秘密ワードだろ。今、考えるとそう思うしかなかった。せっかく来たんだし、遊んで帰ろうとも考えた。なぜなら帰り方なんて考えてもわからないからだ。とても明るい空間でしかも、甘い物ばかり、胃もたれは気なるが、食べてみたかった。 そまずは、自分が乗っている「ケーキ」にかぶりついた。 めちゃくちゃ美味かった。ほっぺが落ちると表現されることが多いだろうが、その言葉の意味がわかった。とても美味いからだ。 次はケーキの上に乗っている「いちご」を食べた。一口食べてわかった。甘すぎる。近年とても高くて一般市民には高くて手が届かないようないちごがあると聞いていたがコレではないだろうかと、大きな山みたいないちごを少し食べたところで、「ドーーン」と大きな音がした、何か落ちてきたようだ。「こ、これはなんだ。饅頭?」大きすぎて一口では食べれないような饅頭が落ちてきたのだ。ここは「お菓子のおかしな国」なんか饅頭程度落ちてきても不思議ではない、私は迷わず、「いただきまーす」といい落ちてきた饅頭を食べた。「なんだかんだで、饅頭うまい」パクパク食べれた。そして周りが一気に暗くなった。
人の声がする。「お客さん大丈夫ですか?」と声がしたのだ。目を開けた。そしたら、そこは先ほど座ってた喫茶店の窓際カウンター席だ。 「お客さんこんなところで寝てたら風を引きますよ」
「あ、あれお菓子の国は?」
私は店主に尋ねた。
「お菓子の国?」
店主は困ってた。 そう。私は喫茶店に入り席に座ってから寝てしまっていたからだ。夢の中でお菓子の国にいっていたらしい。時計を見ると13時。おそらく1時間ぐらいか寝ていたみたいだ。起きたことだし注文頼むか、とメニューを見た、夢で見たメニューとは違うが手書きの個人経営感出てる。メニュー表だ、そこには「ケーキセット」があった。コーヒーとのセットで値段は700円ほど、これを頼むことにした。店主に注文を言って、窓から外の世界を見ていた。町には相変わらずだれもいない。自分一人だけの世界そう思えた。数分だろうか。待ってたら店主が来て「ご注文のケーキセットとコーヒーです」 そこには白くてふわふわしたショートケーキと引き立てのとてもいい匂いのコーヒーが出てきた。「いただきます」私はケーキを食べた。夢の中で味わったケーキの味がした。 明日からまた、頑張れると思わせる味だ。 明日からまた仕事頑張ろう
鏡を割ったらお菓子の国だった 面堂フライ @3360192
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