人間がいない世界を、俺は求めていた――。

 主人公は、人間をゴキブリ並にしか思えないサイコパスの少年。そんな主人公は人間の世界にさようならを告げるために、屋上から飛び降りた。 
 しかしその先は、異世界だった。しかも、主人公の愛猫・ルルもいた。主人公にはダンジョン主としてダンジョンを経営する、義務が課せられていたのだ。そして主人公は、サイコパスならではの計画を思いつく。それは、人間を麻薬漬けにして、餌を与え、家畜として扱うことだった。
 愛猫を守るため、そして自分を守るため、主人公は仲間となった配下のモンスターたちと冒険者に挑む。人間を殺すことに躊躇がない上に、殺した人間からスキルを得られると知った主人公は、自分と仲間にそのスキルを与える。こうして徐々に強くなり、ダンジョンを複雑にしていく主人公。人間には容赦がないが、愛猫やモンスターたちとは仲良くやっていく日々を送っていた。
 そして今日も、ダンジョンに迷い込んだ人間が……。
 主人公の人間に見せる残酷な顔と、人間以外に見せる優しい顔が魅力的。
 ステイタスやスキルはパソコンでダウンロードという、新しい設定。
 「正義VS悪」でも、「悪VS悪」でもない。まして「正義VS正義」でもない。
 人間から見れば、完全に悪役の主人公の誕生である。
 ダークファンタジーながら重くなり過ぎない一作。

 是非、御一読下さい。

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