● 第74話 考察の後は、どうやらサプライズをする様デス……、 内容不明ですがナニか?
「だから、ユウ……、キミは今後も『箱』の能力を進化させて行かなくちゃいけないのサ。
でも、心配する事なんて無イ。
その指導に当たるのは、このボクなのだし何と言ってもキミは今や『ギフト』に関する権威の一人でもアルのダカラ」
サシャは、すました顔でオレの『箱』の力が更に進化していく事を前提にしてるけど、ソンナ綱渡り的なハナシで大丈夫なのか?
もし、進化しなかったらドウする? プランB的な、何か予備の作戦みたいなモンも用意しといた方がイイんじゃないかな?
そもそも、オレは現世でノンビリとユルゥ~い夏休みを過ごそうと決め込んでたのに、思い描いていた物とは全く別物になってるんだよな……。
それに、山中湖の実家にも帰らないと母さん達、すごく心配するだろうし。
コノ世界に、結果的に戻って来てから一体どのぐらいの時間が経ったんだろう?
いや、待てよ……。
オレの『箱』の力が進化さえしちゃえば、時間の経過を気にする事無くコノ世界を元の状態に戻した上で、コノ世界に夢で呼ばれたアノ日の翌日の現世に戻ればイイのか……。
そうすれば母さん達に心配掛ける事も無いし、夏休みもダラダラと過ごせる!
こうなったら、出来るだけ早く『箱』の力を更に進化させて敵に対抗出来るだけの物にするしか道はナイ!
ソレが出来るまでは、ヘヴィメタルも深夜アニメもお預けダ!
それにしても、相変わらずサシャは話の持って行き方が上手いねぇ。
正に、破綻の無い論理的帰結ってヤツだ。
「解った! オレの『箱』の力が出来るだけ上手く進化していける様にこれからもサポート、よろしく頼むよ……サシャ。
やっぱり、オレ独りじゃ心許ないし。
正直今も、この後もホントにちゃんと進化するのかどうか今一つ確信が持てないのが正直なトコなんだ」
「キミは、一つ重要な要素を忘れているのサ。
ソレはね……、例の『神々の石』で創られたナイフの存在ダヨ。
アレは『持ち主を選ぶ』物だと言ったダロウ?
ユウは既に選ばれたのダカラ、必ず力になってくれるのサ。
まぁ、とにかく『Gの書』の共有化から得た情報によるレーヴェンシュタットの状況の考察はコンナ所になるのサ。
もう、夜が明けるネ
皆、少しでも寝て休んだ方がイイ。
今日は、忙しい一日になるのダカラ……」
え? 何、忙しい一日って?
まだナンカ在るの?
「では皆……今夜は作戦、ご苦労であった。
サシャの言うた通り、少しでも休んでおくと良い。
今日の午後、行われる事は我々の家族にとって非常に大切な事じゃ。
ソレまでに、英気を養っておくのじゃ」
カイザールさんが、珍しく重々しく言った。
今日の午後、ナニがあんの?
他の皆は知ってるコトなの?
何で、オレには知らされてないんだろ?
こうして、各自が部屋に戻って行った。
オレはサシャと一緒に部屋に戻り、早速質問を投げた。
「今日の午後の件なんだけど……、ナニがあるの?
オレ、何も聴いてないんだけど」
「今回は、ソノ主役となるべき当事者にも知らせていない、言って見ればサプライズみたいなモノだから、ユウも知らない方が楽しめると思うのサ。
ダカラ……、今回は相手がユウでも言えないのサ。
ソンナ事より、今は少しでも休んでおこウ……、オヤスミ」
そう言うと、いつもの様に軽くキスをされ……サシャは眠ってしまった。
主役となるべき当事者にも伝えてないサプライズ……、って何ダロ?
考えようとしたが、結局全く何もまとまらないまま、オレは眠りの海に沈んでいった。
そして、今回も扉が何度もノックされソノ音でようやく目が覚めた。
「ふぁ~い、今開けますんで待って下さい」
半分寝ぼけ
当然、またエテルナが起こしに来てくれたと思っていたのだが、想定外の人物がソコに立っていた。
「ユウよ、久しぶりじゃな。
元気でやっておったみたいダナ。
色々と、活躍してくれた様だが流石我が孫じゃて」
「元気で良かったワ。
サシャもユウと一緒になってから、一段とキレイになったわネ。
特に、笑顔が際立ってステキよ」
なんと、扉の前に居たのは『精霊の宿る山』の隠れ家に居るはずの、エルネスト爺ちゃんとヴァレリア婆ちゃんだった。
しかも、何だかめかし込んでる。
二人とも、ココで何してんのさ?
「ヴァレリアー!
久しぶりなのサ。
エルネスト様も、お元気そうで何よりです。
お二人がココに来たという事は、皆揃ったのですネ……」
「そういう事じゃ。
お前達も早く、準備しなさい。
リサも、二人に逢いたいと待ちかねておるでな」
それだけ言って、オレに返事と質問のタイミングを与えず扉が閉められた。
「ナンデ、爺ちゃんと婆ちゃんがココに居るの?
それに、リサも待ってるって言ってたけど……」
サシャはニッコリと笑みを浮かべながら、答えた。
「今日は午後からのサプライズの為に、皆がココに集まってるのサ。
何と言っても、新しい家族であり頼れる仲間である二人の為だからネ……。
ボク達も、準備を急いだ方がイイかもネ。
――今から、ユーリ・ランゲンドルフと、アントワーヌ・ルクルトの結婚式を皆で盛大に祝うのダカラ!」
初ラノベ主人公のオレが、『ギフト』で異世界救ってイイですか? 月光狼 @ MoonLightWolf @Gekkokurou
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