● 第73話 共有した情報の考察会議で、新たな使命が課せられマシタ!
『特定のギフト能力のみを無効化する力』……、確かに最適化され共有した情報の中にソノ能力についての事はあったけど、いくらなんでもソイツはご都合主義な力なんじゃだいろうか?
そもそも『ギフト』ってのは、家族や仲間や他人の助けになる様な暖かい力だ。
『特定の能力のみを無効化出来る』ナンテのは、完全に個人的利益優先だと思うんだけどな。
だがしかし……だ、現在のレーヴェンシュタットの状況から考えるとソノ結論が出てくるのは妥当だと言える。
カイザールさんの『平和的統治』に、ヴァレリア婆ちゃんの『天候管理』っていう特定の能力だけが効力を発揮していないからだ。
皆は知らない事だけど、このノヴェラードは恐らく今の所まだ、隠されている状態だろうし。
サシャの『ギフト』能力は効力が及んでいるのに、カイザールさんとヴァレリア婆ちゃん……ひょっとしたら、まだ他にも効力がキャンセルされてる能力だって在るかもしれない。
とにかく、その『特定の能力のみを無効化出来る力』を操ってるヤツがオレ達が倒すべき最終的な敵のラスボスって事になるのか。
「皆、先に結論から言っちゃったから驚かせてしまったかもしれないネ。
今言った『ギフト』の効力に関しては、簡単にいってしまえば結果的にソウ出来てしまう……、というのがホントのトコロなのサ。
コノ点に関しては、情報の最適化の時に補足説明を入れるのをボクとしたことが、ドウヤラ忘れてしまったみたいダ。
だって、アノ情報の中には全く別の『ギフト』能力でコンナ物があるのダカラ。
特にユウは……、コノ能力と混同しちゃったかもしれないネ。
ソノ能力とは『特定のギフト能力を無効化、及び逆に有効化出来る』というモノなのサ。
そして、ココまで話したから明かしてしまうけど……コノ能力は、ボクの妹であるリサが持っているモノなんダ……。
今のレーヴェンシュタットの状態を作り出しているのは、勿論リサじゃないから論理的帰結として、さっきボクが言った、結果的にソウ出来てしまう能力が使われているというのが間違いないというコトになるのサ。
ボクがさっき話した、今レーヴェンシュタットを支配しているであろう『ギフト』能力の元の……というか、本当の力はネ『特定の範囲内で、時間を意のままに操れる能力』というモノなのサ。
コノ能力の持ち主である敵は、カイザール様の『平和的統治』とヴァレリアの『天候管理』の能力が発現する前にまで、ノヴェラード全域の時間軸を遡らせていて、その効力を結果的に無きモノにしていると言えるネ……」
「なるほどのぉ……。
サシャよ、お主の話よう解かったぞ。
ご苦労であったの。
今の解説を聴き、ワシなりに思うた事がある。
今、レーヴェンシュタットを支配しておる『特定の範囲内で、時間を意のままに操れる能力』を持つ者に対して、リサの持つ『特定のギフト能力を無効化、また逆に有効化出来る力』をぶつけ、互いの『ギフト』を相殺する……というモノじゃが、どうであろうか?」
「カイザール様、ソレに関しては勿論このボクだって考えたのサ。
でも、ソノ方法だと敵には決して勝てないんダ。
敵は『時間を意のままに操れる能力』を好きな時に、何回でも使えるのサ。
ソレに対して、ボクの妹リサの持つ『特定のギフト能力の無効化と有効化の力』は、彼女の人生の中で一回キリしか使えない特殊な能力なのダカラ……」
「お、おぉ……ワシとした事が、浅はかであったわ。
確かに、共有化された情報にその旨が存在しておった……。
まだ、この情報の全てを
サシャよ、許しておくれ」
「気にする事なんてナイのサ、カイザール様。
ナント言っても『Gの書』回収の目的なんて言う根本的なモノすら忘れちゃう、誰かサンみたいな人も居るぐらいなのサ。
それに、共有シタ情報をスグさま自分の手足の様に扱える人間なんて居やしないのダカラ」
グッ、また流れ弾飛んで来たヨ。
悪かったヨ……、もう許してくれー。
しかし、敵の『特定の範囲内で、時間を意のままに操れる能力』ってヤツ……確かに強力だし、上手く使えば影響力はハンパないんだろう。
だけど、オレの『箱』の力と比べたらどうなんだろう?
でも、オレが『箱』を制御出来たアノ時まで時間を戻されれば、今と同じ事になるのか。
もし仮に……だ。
オレの『箱』の能力が今後も進化し続けて、完全にコノ世界の時間軸を超越出来るような域にまで達したとしたらどうだろう?
それなら敵の持つ、普通に『特定の範囲内で、時間を意のままに操れる力』と勝負出来るんじゃないだろうか?
「サシャ、ちょっと質問してもイイかな?
コレはまだ仮定のハナシで、根拠も何も無いんだけどね。
オレの『ギフト』が今後も徐々に進化していってサ、もしコノ世界の時間軸を支配――と、いうか超越とでも言えばいいのかな――みたいな事が出来る様になったとしたら、オレ達が倒すべき敵の能力に対して有効な手段になるのかな?」
サシャはオレの問いに破顔一笑し、
「ボクはネ、ユウ……キミが何時になったらその質問をしてくれるんだろうって待っていたトコロだったのサ。
そのために、時々イヤミなんてモノを言ってみたりもしたのだケレド……ネ。
ユウの言う通り……、というか逆に言えば恐らく他に手はナイと思ウ。
――ユウの『箱』の力の進化したモノこそが敵の力を破って倒し、ノヴェラードを元の在るべき姿に戻す唯一の方法だと、ボクは考えているのサ」
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