僕は死ぬ日を告げられた。ニート青年×死神少女、一ヶ月間の物語。

引きこもりニート主人公の前に現れた、黒装束の死神少女。彼女によると、4/1の新元号発表を待たずして、自分は死んでしまうらしい……。
あらすじ通りのシンプルな題材、5000字ほどの短編ですが、今この時期だからこそ共感できる話題が各所に散りばめられています。

新元号発表を待っていた時のあの、不思議なワクワク感。
「令和」という字を見、由来を知って、ふわりと胸に去来した感情。
そして、改元を迎えた今日の、不思議な心のざわめきも。

誰もが自分の死ぬ日を知らず、明日が確実に来るかさえ知らずに、日々を生きています。どんなに長く生きたって、あるいは突然に命の期限を知らされたとしても、未練のない終わりを迎えられるはずがありません。
であれば、今日を、この瞬間を、誰のために生き何を残すのか。生きてる限り、それに向き合わねばならないのだよなぁ、と。私は思いました。

改元は、一つの節目であり、切っ掛けであるのかもしれません。
新たな時代を迎えた今日、思いと願いも新たに。
ぜひ読んでいただきたい作品です。

その他のおすすめレビュー

羽鳥(眞城白歌)さんの他のおすすめレビュー964