第8話
「へー。そんな事があったんだ。」
おれは瑛斗に昨日あった事を話した。今思い返してみると大丈夫かな?なんて思ってしまった。
「けど、自分から不良って言ったんだ。」
「まあ、実際に言われているしな。」
「…てかそろそろ真実を伝えてみないのか?」
「それは、無理だろ。1度はられたレッテルは剥がしにくい。」
なぜ不良と呼ばれているか。それは
「せんぱ〜い!」
一応今回のキーを持つ奴がきた。制服は少し着崩し髪は整えていなかった。
「せんぱ〜い!こんちゃ〜す!」
「いよ。元気か信之介。」
こいつは佐藤慎之介。こんな感じだがこれでも不良軍団60人をまとめているリーダーだ。
「はい!げんきっすよ!先輩はどうなんすか?」
「あ〜元気だ元気だ。…けがの方も大丈夫らしいね。」
「はい!もうすっかり治りましたよ。先輩のおかげです。」
俺のおかげね〜。ちょっと嬉しいかも。
「そうか…ならよかっt」
「あら!これはこれは不良さんじゃない!」
「「「!?」」」
このいやな声…もう聞きたくないこの声は…
「…テメーは鈴宮姫!」
「あら本物の不良さんもいるのね、佐藤慎之介さん。」
鈴宮姫。俺の噂を流した張本人である。家は鈴宮グループという大企業で代表取締役の娘らしい。
「こんにちは姫さん。今は僕は友達と後輩と楽しいおしゃべりをしていたからまた後で…いや話しかけないでほしいな。」
その声を聞いた瞬間鈴宮は態度を変えて
「きゃ〜瑛斗様〜!そのような事は絶対にできませんわ!だって、私と瑛斗様は愛の赤い糸で結ばれているのですよ!どこか行くのはそこにいる不良共だけで結構でございますわ!」
「テメー!先輩は不良じゃねーって言ってんだろ!」
慎之介がキレた。とりあえずここは落ち着かせよう。
「落ち着け慎之介。こんなバカの言葉に耳を傾かせるんじゃねえ。ほらどっか行こうぜ2人とも。」
「はい先輩!」「そうだな。」
2人がそう言うと鈴宮が
「えちょ、瑛斗様!そんな2人と一緒に行かなくてもいいんじゃないですか。」
「…お前と一緒にいるならばこいつらと一緒にいた方がまだよっぽどいい。」
そう言い3人とも食堂を去った。
俺と皇女様 黒咲 零 @kurei1245
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