かつての伝説が、無垢な少年の禁忌により再び物語として紡がれる。

「前日譚 戦神の宴」

それは三千年の昔の物語。大陸国家シエランディア。
当時の王はアノス。すぐれた政治を行い、人望もあり、民からの信頼も厚く、世に聞こゆる名君と噂される、君主の鑑たる王だったが、そんな王でさえも、どうにもならない問題があった。

「荒ぶる神々」だった。

その「荒ぶる神々」を封ずる旅に出る七人の旅物語が前半で語られる……。
熱く、力の籠った物語だ。

そして、未来。
生まれ持った天才的な力、絵心師を持つ少年。
主人公のフィレル・イグニシィン。

絵心師とは、描いた絵に奇跡が宿る凄い力だった。
例えば、リンゴの絵を描けば、美味しい食べられる奇跡の林檎になる。
という具合に、描いた絵を実体に変えられるということだ。
ある日、自身の無邪気な性格ゆえに、取り返しのつかない禁忌を犯してしまう。

彼が描いたのは――。

戦闘描写と作り込まれた設定に肝を抜かれること間違いなしでしょう!
前半でここまで熱く物語が構成されているのも、なかなか勇気のいることです。
とても面白いので、ぜひご覧ください!!