幽玄と耽美のはざまから妖しくぬらめく触手と性癖

主人公の龍郎は少し感が良い程度のごく普通の青年。
しかし、彼が電車の中で出会った絶世の美女、青蘭。

二人の出会いが「日常」の風景を「妖しい」世界へと
組み替えて行きます。

息つく間もなく次々と起こる不可解な事件。
時には一瞬で、時には丁寧に…赤黒い血だけを残して消えて行く一般人。
その瞳の先にあるのは…スーツケースの男?
そして龍郎の兄嫁「繭子」には口が二つ?
母屋の離れで時を止めているのは?
消えた繭子を追い、たどり着いたのは人魚の島、と思いきや…
その腹の底に潜むモノとは…?

丁寧に描かれた「日常」から僅かに、
些細にズレる事から沸き起こる違和感と恐怖。

青蘭と龍郎の炎に隠された過去や、
透きとおるような孤独と純愛が丁寧に描写されています。
えげつないくらいエロいのに、表現が洗練されているから
恐ろしいくらい奇麗な世界として読めます。

耽美とはこういう事か!!!
大人のBLとはこういう事かッ!!!

性癖の乱打津波でハートルフボッコにされつつ、
最後にピュアな気持ちも味わえる大人な作品です。
BL好きも、逆に興味がない人も、是非一度目を通してみて下さい!
結局、ぐいぐい読めちゃうから!!

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