『魔力がどちゃくそ低いタツミくん』というのは、私たち読み手を惹きつける1番の要素なんですよね。魔力が低すぎて、社会的地位まで低く扱われてしまうタツミくん。でも彼は悪の道へは進まない(進めない?)。心正しく、底辺でもがくんです。その頑張り方が、実直かつどこかぬけてて笑いを誘います。
そしてこの世界の魔法の設定が実に細やか!至る所に仕掛けが施されているので、ぜひ一度堪能していただきたいです。中でもこの小説のキモである『刺繍』にご注目です、はい。
『刺繍』で紋章を描き、服に魔術を付与するのですが——その工房の描写がとても素敵!物作り系の方は必見ですよ。思わずくふふと笑うこと請け合いです。
でもやはり注目はタツミくんの周りに配置された人々でしょう。キャラが個性的でだんだんと明らかになる素性に引き込まれていきます。
ぜひ皆さんもこの魔法世界にいらしてください。
完結してますが……続編希望です!!
脇キャラクターが凄く立って居て面白いです。
語り口も軽妙で、三人称ながら、スルスル~と読めます。
序盤の労働協約締結シーンは中々見もの!
「魔力量」が絶対的な身分制度の様になっているファンタジー世界で
低魔力しか持たない主人公のタツミくんが、なんとか見つけた職場は
かなりブラック・アウトローな「刺繍屋」!?
「魔紋」と呼ばれる不思議な文様を刺繍するのに必要なのは「魔力の低い人間」だった!?
少年×刺繍×低魔力
人間関係が織り成すほっこりホワイト・職場が読んでいて楽しくなります。
それに、食事シーンが逐一美味しそうです。
チクショウ、深夜に読むんじゃなかった……!
一本気で、不器用で、ちょっと頑固なタツミくんが、刺繍屋工房で働く濃い衆に揉まれるほっこりファンタジー!
仕事に疲れたあなたの一服におススメです!!!