北乃家の日常を切り取ったハートフルストーリー

構成がとても面白いです!

北乃家の日常を描いているのは、カクヨム三周年記念選手権の参加作品です。これがまたとてつもなくタイトなスケジュールの選手権で、二日おきにお題が出され、四十八時間で短編を書き上げないといけませんでした。

その作品を書くために現れたカクヨムマスコットのバーグさん。幕間で彼女が次のお題を持ってきて、編集者のように応援してくれます。しかも少しずつ進化していき、読者の心を掴みます。

連作短編の方では、北乃家の人々の心のふれあいが温かく描かれていきます。どのキャラクターもいきいきとしていてとても魅力的です。笑いあり、ほろりと泣かせるシーンもあり、ささやかな幸せが一番大事だと教えてくれます。

よくもまぁ、この難しくハードな選手権を、連作短編として書いたものだと感心します。その上更にそれをこんな風に調理するなんて! すごい! の一言。ぜひぜひ読んでみてください。一作ずつも面白く、全体も面白い、そんな作品です。

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