第3話 初仕事!?部活動始動!!
荒波先生からボランティアをしろと言われ、はや2週間が経った。
放課後、部活動として使う教室には毎日出るよう言われ足を向ける。
教室のドアを開けると、いつも橘が席の片隅に座っており、こちらに気づくと
『あっ、こんに…ぁ』か
とモジモジしながら挨拶してくる。
俺は軽くお辞儀だけして、何も言わない。
再度、教室のドアが勢いよく開かれ
『うぃーす!!、実はいつも可愛いねーー!』
と、笹波が両手で橘のほっぺをぷにぷにしている。
『こんにち…は、ささ…なみさん』
戸惑いながらも、挨拶をしている。
ああいう、絡み方をしてくる女子は必ずいる。
『えりかでいいのに~』
『ごめんね、まだ慣れなくて』
頬を赤らめながら、謝っている。
それがまた、可愛いのであろう。
橘をお人形さんのように、笹波は愛(め)でている。
笹波にとって、俺は存在しない扱いのようだ。
部活が始まって、いつもこの流れである。
コンコンっと、ドアがノックされる。
誰も返事をせず、教室が静まり返る。
再度、ノックが入るが誰も応答しない。
ちょっとした間が空き 、ドアが開かれる。
『失礼、しまぁ~す』
『なんだ、いるじゃないですか』
二人の男女が入ってきた。
一人はやさしそうな女の人。
一人は真面目そうな男の人。
女の人は入ってくるなり、教室から空いている机を引っ付けて話し合えるように準備していた。
それが終わり、女の人が
『座ってもらってもいいかなぁ?』
と言われ、俺たち3人は席に座る。
『えっとね、聞いてると思うんだけど、文化祭の役員の手伝いを頼みたいのね。そこで……』
『ちょっと待ってください、俺たち何も聞かされてないんですけど』
俺は女の人の会話を区切り、質問する。
『あれぇ~?荒川先生から事前に伝えてくれるって言ってたんだけどなぁ』
『おい、鳳条。その前に自己紹介した方がいいんじゃないか?』
もう一人の男の人が、合いの手を入れる。
『あっ、ごめんね。うっかりしてた。私、鳳条名波っていいます。3年生、これでも生徒会長だよぉ』
『俺は山口栄司。3年生、副会長を勤めている、よろしく。』
あっ、この人は普通の名前だ。
俺を含めて橘、笹波は状況が掴めないでいた。
副会長が切り出した。
『来月に行われる文化祭なんだが、イベント事を大きくしすぎたせいで人員が足りない。それで君たちの手を借りたい。お願いできないだろうか。』
『え~、それってめっちゃ時間かかるんじゃないですか?うち、そこまで、暇じゃないんですけど』
笹波はグチグチとごねている。
『私は…邪魔にし…ならないと…ます』
橘は自信が無いようだ。
俺は手を挙げ
『質問なんですけど、山口先輩はお願いと言われましたが、それは断ってもいいんですか?』
『うん、確かに断っても構わないよ。荒波先生は承諾しないと内申簿になに書くかわからないとは言っていたけどね。僕たちも穏便に話を進めたいと思っているよ』
脅しじゃねぇか、そんなことしていいのかおい。
『じゃあ、俺は参加します』
ため息を付く。
『あとの二人は?』
と鳳条は畳み掛ける。
『やります』
『や…ます』
観念した返事だった。
『じゃあ、話を始めよっか』
俺は悪くない、俺の世界が悪い @kurouse
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