【短編小説】カメラには写らない光　～世界は美しいと気づいた朝～（約7,200字）

「あたし、死ぬんですか？」
「はい、余命三ヶ月です」

　その診断を受けた翌朝、写真家・桜井波音の目に映る世界が変わった。
　人々が光を纏い、街並みが輝きを放ち、存在するものすべてが美しく見えはじめる。
　必死にシャッターを切り、その光を記録しようとする波音。
　しかし、彼女が本当に記録すべきものとは――。
　SNSのいいね数に囚われ、競争に疲れていた若手カメラマン。
　死を意識することで、逆説的に「生」の輝きに目覚めていく。
　そして気づく。写真は記録を超えた何かになりうると。
　世界の美しさと、生きることの尊さを描いた物語。
　あなたの目に映る世界も、きっと変わるはず。