おしゃべりな爆弾

閉店する「パブー」に投稿した短編小説の移植版

もともと著者が小学生の頃はじめて完成させた作品で、執筆時期は「地下鉄サリン事件より以前」である。文章にもそれほど手を入れておらず、小学生にしてはよく書けた作品であると思わなくもない。

主人公の時限爆弾が（当時著者がかじっていたMacintoshソフトウェアHyperCardのスクリプト言語である）HyperTalk的ななにかを口走っているのが微笑ましくもある。そもそも機械知性であるわりに自己顕示欲が高かったり激高したり、ハードSF的な設定とはまるで縁遠いものの、どうやら著者はそういう「人間めいた人間以外」が好みだったようだ。

あと「自己顕示欲によって身を滅ぼす」というより「自己顕示欲によって救われる」とも取れるというか、オチは二通りの読み方ができますぞ。