KAC2023、第2回お題は「ぬいぐるみ」

    

 まずは個人的な前置きです。

 前回のエッセイ記事では書き忘れていましたが、自分のページの中で、KAC関連のコレクションを固定コレクションの先頭にしてみました。


【短編】カクヨム誕生祭のために執筆した作品

https://kakuyomu.jp/users/haru_karasugawa/collections/16816452219401707178


 せっかくのイベント期間中なので、参加作品を少しでも目立たせておこう、という試みです。

 固定コレクションは4つまでなので、これで「ウイルス関連作品」というコレクションが「固定」から脱落しました。私が元々「小説家のなろう」やカクヨムみたいな小説投稿サイトに登録した理由の一つは「ウイルス関連の小説を書いて発表したかったから」というものだったはずなのに、それを固定コレクションから外すなんて……。

 ずいぶんと私も変わったものです。まあKAC期間中だけの一時的な措置なので、終わったら戻すつもりですけどね。

 あと「一時的な措置」といえば、もうひとつ。

 基本的にコレクション内の並び順は作品投稿順にしているのですが、KACコレクションに関しては「今年のKAC参加作品が埋もれないように」と思って、昨日から「今年のKAC参加作品つまりKAC2023作品を先頭にする」というのも始めました。こちらも今年のKACが終わったくらいの頃に、元通りに並べ直す予定です。



 さて、今回の本題はKAC2023の第2回。

 お題発表は、昨日3月3日の正午でした。


【3/6 11:59締切】KAC2023 第2回お題「ぬいぐるみ」

https://kakuyomu.jp/info/entry/7th_KAC20232


 今回も、次回のお題発表直前が締切。だから第1回とは異なり、応募期間が48時間ではなく72時間となっています。

 この辺りは、去年や一昨年と同じですね。3年前は締切が「お題発表の翌日23:59」というように一律でしたが、そもそもあの時は「お題発表」自体が48時間おきなので一律でした。

 私がまだカクヨムを始めていなかった頃、4年前のKAC「カクヨム3周年記念選手権」のルールを今さら見てみると「翌々日11:59締切」となっていますが、お題発表に関しては「開催期間中の月・水・金曜12時に」と書かれています。お題発表の間隔は、むしろ今年と同じっぽい。

 こうして応募締切に着目してみると、最初は少しずつ試行錯誤されていたのですね。一昨年ようやくルールが定まった、という印象です。


 今回の第2回のお題は「ぬいぐるみ」。

 第1回は「なるほど」と思いましたが、ちょっと今回は「どうして『ぬいぐるみ』なのか」というのが、私にはピンときませんでした。

 というよりも、実は私は「3月3日だからそれに関連して『ひなまつり』とか『雛人形』とかになるのかな?」と予想していたのです。

 しかも、今まで何となくお題を予想することはあってもそれだけだったのに、今回は3月3日の朝、頭に浮かんできた物語があって……。「もしも本当にお題が『ひなまつり』や『雛人形』のたぐいだったら、これを書いて投稿しようかな?」とまで考えていました。

 予想は外れたので、結局それを小説として執筆することはありませんでしたが、冒頭部だけ形にしてみると、おそらくこんな感じです。



『呪いの雛祭り人形』(仮題)


 姿形は変わらないはずなのに髪が伸びるとか、動かないはずなのに動き出すとか。そうした「呪いの人形」みたいな話は、オカルトや怪談話の定番の一つだろう。

 うちにも一つ、それらしき人形がある。おばあちゃんが「呪いの雛祭り人形」と呼んでいたもので、おばあちゃんが生まれた頃には既に我が家の蔵に保管されていたらしい。

 雛祭りの時期に飾られるのは普通の雛人形と同じだが、それは3月3日の夜、人々が寝静まった頃に動き出すという。ただし世間一般の「呪いの人形」とは異なり、人形が動くのを目撃すると、それから一年以内に幸運が訪れるそうだ。

「ねえ、おばあちゃん。だったら、それって『呪いの雛祭り人形』じゃなくて『幸運の雛祭り人形』なんじゃないの?」

「いいんだよ。こういうのはね、わざと逆を言うものなのさ。『まんじゅうこわい』みたいに」

 私は「『まんじゅうこわい』の例はちょっと違う」と思ったものの、あえて反論しなかった。

 続いておばあちゃんが披露したのは、過去に一度だけ「呪いの雛祭り人形」が動くのを目撃した、というエピソード。おじいちゃんと出会ったのは、その一ヶ月後だったという。

「だから『幸運が訪れる』のは、この身をもって実証済みさ」

 と言われても、その時は半信半疑だったが……。

 私も小学五年生の終わりに人形が動くのを見てしまい、それから一年以内に私立中学を受験して合格。高校一年の終わりにも見ることが出来て、三ヶ月後に初めて男の子から告白されて、一年半ほど交際も続いた。

 だから「呪いの雛祭り人形」の効果は、私も実感しているのだ。



 ……という回想っぽい前置きで始まって、主人公の現在は一人暮らしの女子大生。人形のラッキー効果に期待して、問題の「呪いの雛祭り人形」も持ち込んで暮らしています。

 一般的に雛人形って、複数の人形が何段にも連なって並べられますよね。でも「呪いの人形」みたいな話で動くのは一つだけのはず。例えば段に並べられた人形たちが一斉に動き出す……みたいな光景を想像したら、もう「呪い」のようなオカルト話ではなく、シュールなコメディーになりそうですからね。

 とにかくこの物語の場合も、動き出す人形はメインの一つだけ。だから一人暮らしでも引っ越しの際に持参するのは簡単でしたし、3月3日になれば、一つだけの「呪いの雛祭り人形」を机の上あたりに置いておけるのでした。

 そして物語のクライマックスは3月3日の夜。

 主人公が一人で部屋にいるか、あるいは友人女性二人くらいと一緒か、そのあたりの設定は決めていないのですが、いずれにせよ人形はきちんと動き出します。

 そして一人だとしたら「初めて見た時は怖い気持ちもあったけれど、今では怖くない」みたいな形で、あるいは友人と一緒ならば怖がる友人と面白がる友人を用意する形で、とにかく「怖くない」という立場を用意。そして「怖くない」という立場の者に「呪いの雛祭り人形」の動きを観察させて、そのセリフとして以下のように言わせて物語を締めくくります。

「こんなにゆっくり動くんじゃ怖くないわ。これじゃ『呪いの雛祭り人形』というより『のろいの雛祭り人形』ね」



 ……というわけで、単なるダジャレがオチとなるお話でした。

 それだけかよ、とツッコミをくらいそうな内容ですが、KACみたいなイベントで即興で書くなら許されるかも。あるいは、もっと良いネタを思いついたらこれは没にしよう。

 そんなことを考えていたところ、お題は「ひなまつり」でも「雛人形」でもなかった!

 上記の物語は、めでたくお蔵入りとなりました。


 そうなると、普通に「ぬいぐるみ」を見た瞬間からヨーイドンで考えることになります。

 まず「ぬいぐるみ」で最初に頭に浮かんだのが、子犬の話でした。

 昨年5月から、家族が――というより実質的には家族と一緒に私も――飼い始めたトイプードルです。

 うちに来た時点で生後3ヶ月。それ以降、近況ノートで頻繁に写真を掲載しているので、見たことある方々もおられるでしょうね。

 近況ノートでも記しましたが、まさにモフモフ。特に最初のうちは、犬というより野ウサギとか小熊のぬいぐるみみたいな感じでした。

 それらしき写真のある近況ノート記事のリンクを少し張っておきます。


https://kakuyomu.jp/users/haru_karasugawa/news/16817139555147167842

https://kakuyomu.jp/users/haru_karasugawa/news/16817139556713611375

https://kakuyomu.jp/users/haru_karasugawa/news/16817139557278245831


 また、この子犬に遊び道具として与えていたのが、犬用玩具だけでなく、人間の幼児用のぬいぐるみ。そのぬいぐるみの腕が噛みちぎられる、という出来事もありました。

 かなり最近の近況ノート記事になりますが、こちらに画像が掲載してあります。


https://kakuyomu.jp/users/haru_karasugawa/news/16817330650290461213


 こんな感じで「ぬいぐるみみたいな子犬を飼い始めた」という話と「子犬がぬいぐるみを噛みちぎった」という話。どちらも「ぬいぐるみ」ネタのエッセイにはなりそうですが、そこに何か少し加えてフィクションにするのは難しそう、と思ってしまいました。

 ならば自分の経験とは無関係に、ただ「ぬいぐるみ」を用いた小説を書こうと考えて……。

 上述の「呪いの雛祭り人形」に引きずられました。「動かないはずのぬいぐるみが動く」という話も「動かないはずの人形が動く」の一種で、ホラーの定番。そこから発想したら、最終的に「動くぬいぐるみ」は登場しなくなったものの、ホラー要素のある異世界ファンタジーになりました。


『ぬいぐるみ好きな白い魔法士』

https://kakuyomu.jp/works/16817330653943295507


 おそらく異世界ファンタジーにしたせいで、いくらか設定や描写などの記述が必要になったのでしょうね。

 文字数も想定より長くなり、約5,000文字。

 去年までのKACであれば、制限文字数オーバーです。今年は「777字以上」というように下限だけで上限はないから、5,000文字でも大丈夫ですよね……?

 心配になるほどの文字数であり、執筆にも時間がかかりました。確か書き始めたのは午後1時前だったはずなのに、投稿したのは午後4時過ぎ。どうやら3時間以上かかったようです。

 KACの執筆だけでこんなに時間を費やしていたら他のことが出来なくなりますし、次回はもっと短い時間で書き上げたいですね!

   

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る