7、トラブル発生
京都-奈良間は、国道24号線が最短距離です。しかし京都の南部には、八幡市から奈良県境の木津川市まで「京都八幡木津自転車道」(起点は嵐山。全長45km)というサイクリングロードがあります。こちらの方が快適・安全で、しかも時間的にも短縮できます。
そこで私は、そのサイクリングロードを走る事をご提案しました。
すると、せんまるさんから、
「宜しくお願いします!」
と、快いお返事を頂きました。
2019年3月20日、水曜日。
平安神宮や伏見稲荷を観光されたせんまるさんは、待ち合わせ場所である国道1号線の木津川大橋を目指して走っておられていました。
ところが連日の疲労が出たのか、もしくは前夜に同じ「生主(ニコ生で生放送をされてる方)」のジョウケンさんと飲みすぎたのか、かなり苦しいそうに走っておられ、私は心配していました。
ヤキモキしながら木津川大橋の西詰で待っていると、笑顔のせんまるさんがやって来ます。一晩ぶりの再会でしたが、とても嬉しかったです。
差し入れの海洋深層水のペットボトルとエネルギー補給用のゼリーを渡し、サイクリングロードの説明をしました。
そこから私も伴走すれば良いのですが、私の家がもっと南(奈良寄り)にあるので、一旦車で木津川市に先回りし、そこに車を止め、ロードバイクで奈良方面からせんまるさんを迎えに行って、折返し奈良までご案内する事にしました。
「それでは、また後でお会いしましょう」
という事で一旦お別れします。
私は、高速道路を使い木津川市まで行き、無料のパーキングエリアへ車を止め、昨夜針金を使い急ごしらえで作ったホルダーに携帯を設置して、ロードバイクで走る準備をします。
生放送で、せんまるさんが快適にサイクリングロードを走っているのを確認しつつ、念の為、パンク等の簡単な修理キットをリュックに入れて出発しました。
私は生放送を聞きながら、サイクリングロードをせんまるさんの方へ向かって走っていました。
生放送からは、
「なんだか、今日は余り体調が良くないのかなぁ。スピードが出せない。テンションが上がって来ない」
「今日は、あんまり走らないから燃えないのかなぁ」
という、せんまるさんの声が聞こえてました。
それでも強靭なせんまるさん。大丈夫だろうと思い、のんびりと走りなれたサイクリングロードを走ってました。
すると次の瞬間、
「あっ、パンクしてる!」
という一報が飛び込んできました。トラブル発生です。
「なんでスピード出ないかと思ってたら、パンクしてたのか」
と言うせんまるさんの声。
大丈夫かなぁ?
と思いつつも、今まで世界を走っていて、何度もパンクをした事があると言っておられたので然程心配はしていませんでした。
ところが生放送から聞こえてきたせんまるさんの話では、
「空気入れ、買ったんだけど、見てないから、もしかしたら……」
と言う不安の声が聞こえてきました。私はロードバイクを止め、生放送を見ていました。
荷物を出して空気入れを探すせんまるさん。
「あれ。無いかもなぁ。無い可能性あるなぁ」
「ままぁ、なんとかなりますから……」
懸命に探した結果、空気入れが無いことが確定しました。
これはまずい!
そう思った私は、まず自分のリュックの中を確認します。ちゃんと携帯型の空気入れが入っているのを確認し、急いでせんまるさんのいる方へ走り出しました。
生放送の画像の背景から想像するに、私との距離は約8キロ。時速30キロ程で走れば15分ぐらいで着きます。向かい風の中を飛ばしました。
20分程で、せんまさんがパンクした所に到着しましたが、そこにせんまるさんの姿は……、ありませんでした!
暫く行ったり来たりして探しましたが見つかりません。
そこで携帯をGPSのサイトに切り替えて確認すると、せんまるさんはサイクリングロードを離れ、市街地の方へ向かってました。
生放送を見てみると、見た事がある様な街並みが映ってましたので、サイクリングロードを離れ、街の中へ行きました。
GPSも確認しながら街中を走りまくりました。
「この角を曲がったら、せんまるさんがいるはず!」
と思って曲がってみても、そこにせんまるさんはいませんでした。
あれっ!?
と思い、もう一度生放送を見てみると、どうやら駅近くのバイク屋が映っていました。
よかった。バイク屋さんなら空気入れはあるやろう。
と思ったのも束の間、なんとバイク屋さんは休みで閉まってると言う声が聞こえてきました。
それなら急がんと!
と思い、勘を頼りにそのバイク屋を目指して走りました。
その周辺は、私も何度か通った事があるだけだったので、確信は無かったので結構迷いながら走りました。
そして信号のある交差点を右に曲がった時、
「わー。わーー!」
と言ってる、せんまるさんを発見出来ました。劇的な再会です!
「わ、やっと見つけましたよ!」
「わー、凄い! わー、流石!」
と、せんまるさんは嬉しそうでした。それを見て私も安心しました。
「これしかないですけど」
と、携帯型の空気入れを渡すと、ドッと疲れが出てしまい、座り込んでしまいました。でも会えて良かった。本当に嬉しかった。
もちろん、せんまるさんも大変喜んで下さいました。リスナーの皆さんにも喜んで貰って嬉しかったなぁー。
めっちゃ疲れてて、パンク修理を手伝おうと思っても、かなりふらついてましたね。
でも喜んで貰って、嬉しかったです。
つづく
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