6、念願のお汁粉

 せんまるさんは、順調に国道1号線を京都へ向かって走って行きます。私は、せんまるさんの数百メートル後ろを走ったり、止まったりしながら追走します。他の車の流れで追い越す事もありました。


 湖南市の辺りで、国道1号線は旧道とバイパスに分かれます。私はバイパス、せんまるさんは旧道を走ってましたので少し焦りましたが、なんとか旧道へ先回り出来ました。

 暫く行くと、GPS用の携帯のバッテリーが無くなったので、充電しておいたバッテリーと交換しました。少しは役に立ったかな?


 その後せんまるさんは瀬田川を渡り大津へ入りました。その時、先行していた私はスーパーを見つけました。


 もしかして、スーパーならお汁粉があるかも?


 そう思い、国道1号線を逸れてスーパーに入ります。あっちゃこっちゃ探すと……、ありました! カップのお汁粉。

 それを2つ買って車へ戻ります。その間にせんまるさんは、私を追い越してました。慌てて国道1号線へ戻り、せんまるさんを追い越します。少し広いスペースを見つけ停車し、せんまるさんが来るのを待ちました。


 そこへやって来たせんまるさん。


「お汁粉、買って来ましたー」

「ほんとうですか。いやー嬉しいです」

「食べますか?」

「はい。是非、頂きます」


 近くにあったベンチで、持ってきた水筒からカップに熱湯を注ぎ、せんまるさんに食べて貰いました。2つともペロッと食べて頂きました。

 私も、


『お汁粉を差し入れする』


 と言うミッションをクリア出来て嬉しかったですね。


 そして、国道1号線の逢坂山を越えたせんまるさんを、三条通りと五条通りの分岐までお迎えし、充電出来たバッテリーをお返ししてお別れしました。

 やっぱりゴールの京都はせんまるさんお一人で行って欲しいですからね。


 せんまるさんは、私がお薦めした三条通りを走り、琵琶湖疏水のインクラインや南禅寺を観光して後、無事宿へ到着しました。


 その日の晩に、せんまるさんとツイッターでやり取りをさせて貰いました。次の日は、京都観光をした後、奈良まで走るとの事。京都-奈良間は私の「庭」みたいなものですから、またサポートを願い出ると、せんまるさんは快く承諾して下さいました。しかも伴走も許可して頂けたので嬉しくてたまりません。

 早速、明日に備えて早めに就寝です。



 つづく

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