ヒロインは縁の下の力持ち

宮城県にある松島基地。本作はそこが舞台である。

ヒロインである浜路るい三等空曹は、航空自衛隊第四航空団飛行群第11飛行隊、通称ブルーインパルスの整備士――ドルフィンキーパーである。
三番機を担当している彼女は、三番機をこよなく愛するキーパーで、大の虫嫌い。
とにかく三番機が大好きで、整備も機体の磨きも一切手を抜かず、常に全力投球なのだ。
年齢からすると、ドルフィンキーパーとしては若い。大抜擢された彼女ではあるが、周囲との軋轢など一切なく、キーパーとしての腕もいいため上司には可愛がられている。

そんなある日、三番機の新たなライダー候補として、白勢一等空尉が配属されてきた。タックネーム・ラパンこと因幡一等空尉が、そろそろ卒業する時期に来ていたからだ。
その後継者候補として配属されて来た白勢一尉は、老若男女問わずとりこにする、イケメンでイケボである。
そんな二人の出会いは、名前による喧嘩。
傍から見たら喧嘩っプルである。しかも彼女は超がつくほどの鈍感だった。
そんなイケボと鈍感女の物語は、ブルーインパルスの遠征と基地内での日常を軸にして進んでいく。
見学に来た少女に憧れられたり、変わったドルフィンライダーに遭遇したり、大好きなプリンやエビフライのことで大騒ぎしたり。
元気で明るい彼女だが、大勢の前ではヘタレるなど、とても人間味が溢れている。

そんな彼女が最終的にどうなったのか――
それは物語の中で確認していただきたい。