誕生日が欲しいか? 言ってみろ。

彼には誕生日がない。
この世の中に誕生日がない人間はいない。
けれど誕生日を知らない人間は沢山いる。

主人公の少年には「命日」だけがあった。
命日とは何だろう。
誕生日の代わりになるものではない。

では誕生日を作ろう。
そうしよう。

誕生日とは祝うものだ。
祝いの言葉とは「おめでとう」だ。

さあ、あなたも彼に「おめでとう」と言おう。
そしてこの物語の最後を、優しく見守ろうじゃないか。

おめでとう。そして――