美しくて読みやすい情景描写は、まるで自分がそこにいるような感覚にさせてくれました。ちょっぴり不思議で優しい世界に浸っていると、最後にさらに不思議なことが起こります。 これは夢か現実か、はたまた異世界か? その答えは、それぞれの読者の中にあるのかもしれません。この作品が埋もれているのは勿体ないです。
クリスタルグラスのコップにスプーンを細心の注意を払って当てる。高く澄んだ音がする。やりすぎるとコップが割れて台無しになる。そんな作品だった。 ブランコがとても重要な役割を果たしていて、それは背中をされた時に足が地面から90°のところまで上がるような。その高揚感を味わった瞬間、川の水面がいつのまにか背後に来ている。 メルヘンのようでもあり、見方によってはもうすでに二人は天国に行ってしまったとも捉えられる。または、あくまでも素朴にどこかの森か湖のほとりでも散歩しているかもしれない。 不思議だけれどとても美しいお話。
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