主体性の無い男、何処へゆく

主人公アベルは暗い過去を持つ転生者。
幼い頃から才能を発揮し貴族の従者となる……。

私初めはよくある「なろう列車」に乗ってるつもりでした。
いやいやこの展開はこうなるのでは……とかよくある「なろう」特有の快楽を求めていましたがそれがことごとく見事に外れ、どうも気付いたら全然違う列車に乗っていたようで。
この物語の素晴らしい点は登場人物の心理描写ではないかと思います。
主人公アベルの暗い過去はアベル本人からは誰にも明かされませんが、アベルが時折見せる表情や瞳、仕草から周囲の親しい人物が、読み取る場面が多々あります。
アベルが何を考え何を求めるのか、そしてアベル自身も自分の心の有り様を模索します。
舞台は常に変化し情勢も変わっていきます。
様々な思惑が交差し、成長したアベルが果たして何を求め何を手にするのか……私と一緒に見守りましょう。

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獣の見た夢

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