何かの心を探している。ずっと。愛なのか、狂気なのか。

人を信じきれない、愛なんて存在しない
そんな人生を歩んだ男は、次の人生をどのように歩むのか。

これは、ただの異世界ものではない。
前世からの業を背負った男のヒューマンドラマである。

主人公は、ずっと何かを妄執的に追い求めている。そのためなら、命など惜しくはない。
でも、何かが何なのか、わからない。ただ、切迫して求めている。

そんな闇の抱えた主人公の生き様は多くの人々を惹きつける。
出会った人々との交流は、愛、友愛、親愛、敬愛……様々な愛の片鱗が駆けて、とても美しく見える。

けれど、主人公は未だ乾いて渇いて、満ち足りない。

主人公の行く末はどうなるのか、とても楽しみになる小説だ。
私史上、一番おもしろいと思っているので、流れが通ってないレビューになってしまっているが、どうか見過ごしてほしい。そういうことが些事であるほど、この作品の世界、人々は生きていて、惹きつけられるのだから。

最高のおすすめです。