対比表現が秀逸な力のある作品
- ★★★ Excellent!!!
こんにちは!
「1人1作品優しくコメントする」企画の主催者のMegです。企画に参加いただきありがとうございます。
いやあ、すばらしい作品を読ませていただきました。
まず書き出しから秀逸ですね。パレードのような息子の足取りに葬列のような母親の母親の足取り。
それから続く、どこか幻想の世界を生きている息子と、現実を生きている母親のキャラ。(この字数でキャラをちゃんと魅せてくるのは技量がないとできません)
息子の世界に映る、小さな死、瞼にかかる鱗粉、血しぶきをあげ落ちてくる龍など、『向こう側』の世界。対照的に母親の定められた車道などの『こちら側』の世界。
そして親子という関係から、相反する2つがいやがおうにも同じ世界に共存しなければならない苦しさ、切なさ。それでいてラストはほんのり優しい。
テーマ性もありつつ、3000字以内でこれだけまとめるのは相当力がないとできないと思いました。
文章も美しく、思いがけずすばらしい作家さんを見つけてしまいました。
文句なしの逸品でした!