うん、これは良いものです。恋に落ち、作家になった者の物語……と記してしまうと情緒もへったくれもありませんが、作者様の筆力が存分に発揮されていて、独特の世界観がみごとに表現されていました。また、作品のあちこちに散りばめられた、微細なズレ(あるいは微妙な歪み)がアクセントになり、陰影の薄い作品に良い味わいを加えています。文芸好きにお勧め!
金木犀という花の要素を十二分に生かした、素晴らしい作品。何度読んでも読後の余韻に酔わされるようで、それは読者もまた金木犀の香りに酔いしれているからなのかもしれない……。
もっと見る