陰鬱な望みの結末は因果応報の極み

 社会の底辺になす術もなく押し込まれた主人公が、ひょんなことから手に入れたペンとノート。それに望みを書き込むと……という、形式的にはオーソドックスなホラー小説なものの、書いたことがものの『一部を消す』というギミックを付随させることで、しっかりとしたオリジナリティーが醸し出せている。
 また、常に不幸につきまとわれる主人公の不満とその後ろ暗さのある解消が作品の味に良い深みをだしてるのが、ホラー好きの好奇心をほどよくくすぐってくれます。

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