龍と老人が挑む夢、それは紙とペンによって

お題に答えるKACの四日目は「紙とペンと○○」。
中々に難しい題材でしたが、本作はこれを「地図の制作」へと昇華させています。
まずはその着眼点が素晴らしい!

そして、お話としては希望に溢れているといった印象を受けました。
展開もそうですが、何よりも主人公・ソラの心境の変化です。
ソラが住む黄泉の国は美しく、現世で亡くなりやってきた老人の心を掴みます。
そんな老人のエネルギッシュな姿に心を動かされるソラの変化が、なんと活き活きと描かれていることでしょう!

これからの旅で今まで一人で過ごしてきたソラが、どんな人と出会い、どんな場所を訪れ、どのような経験をしていくか。
そして、何を受け取り、何を思うのか。

推歩先生との旅路に幸多からん事を願わずにはいられない。
そんな読後感を残す、爽やかで力強い作品でした。