恋愛ものと思いつつ読むと痛い目に合います。スパイスの効いたストーリーに「また会いに行きたくなります」
天使のような女性に魅了されて、そのまま彼女の家まで追いかけてしまう少年。違和感のある描写の中、進んでいく彼が待ち受けているのは……様々な予想をしながら読んでいきましたが、それをあっさりと裏切っていくオチが素晴らしいです。
二段仕たての凝った展開。前半で主人公の道を踏み外しかけそうな行動にハラハラさせられつつ、後半に予想だにしない破局が待ち受ける。それを漠然と感じつつも ずるずると奥へ進んでしまう主人公の姿は どこか自分自身を 連想させる。
ホラーなのでしょうけれど、するっと、さらっと読めて気づかないほど。おどろおどろしくしないところがオツですな。文章、描写が小説にマッチしています。
名前も知らないあの子に恋をした。なんとかして近づきたくて、あの子の後を追いかけた。これを情熱と見るかストーカーと取るかは人それぞれかもしれませんが、自分は勇気を出した彼の行動を応援したくなりました。想いよ届けと思いました。…………この話のジャンルがホラーだと気づかないまま。
駅で見かけた素敵な彼女。一目惚れした彼は、つい彼女の後を追いかけてしまう。しかし、ついて行って大丈夫?彼女が何者かも知らないのに。綺麗な花にはトゲがあると言いますけど、トゲですめば良いですね。のこのこついて行った先に、何が待っているでしょうか?真相が明かされた時の不気味さに、ゾクゾクしました。