物語に蛇足は付き物
「なんかヤバいのがこっち見てましたね」
「ん?どうしたジャック」
「いえ、何となくですが……あれってガチでヤバいです。神の視座、星そのものを俯瞰する個人……ヤバすぎです」
「どれ位だ?」
「今も天国の門でジャック系列オール拒否をするペテロさん……いえ話に聞くソドムとゴモラ級?それとも天でよく頭を打つサンダルフォン級…いえもっともっとヤバいのです」
「うん、さっぱり分からん。ただペテロさんが筋金入りなのは驚いた」
「まあペテロさんには一度会っただけですから、よくは知らないんですけどね」
「会った事あるのかペテロさん、荒川系だった?」
「もしもそうなら自分、ジャックやってませんよ」
「そうか……」
「それにしてもヤバいです、一瞬だけですが本当にヤバいのがこっちを見てました」
「どっちからだ?」
「宇宙からです」
「……スペースゴースト」
「そんなジェイソン宇宙へ!な映画じゃないですよ、幽霊の類なら何千年もかけてようこそいらっしゃいました、でお・も・て・な・しですが、あれは……自分にもはっきり分かりませんが次元がこちらよりも2,3……いいえ、もっと上の存在です。ただまあ異星人なのは確かです」
「ピンクレディー的な?」
「先輩さん、年齢詐称してません?」
「いやな、小さい頃に近所のレンタルショップでゴ〇ラとかガ〇ラとか借りて観てたからついな、宇宙と聞くと金星人とか脳裏を過るんだよ」
「光の国から来た巨人も好きそうですね」
「セブンのメトロン、あの夕日に染まる中での戦いが今も心の中に残ってる。あと何で俺はパワ〇ド好きだったんだろうな……今観るとすごい、へっぴり腰に見える」
「まあ子供の好きも嫌いもカオス理論ですから」
「そういや、もう行くんだろ?」
「ええ、未練はもう無いです……」
「そうか、なら良い。引き留めるつもりはない、言えるのは達者でな」
「ええ、先輩さんもお体に気を付けてください」
「俺は何時だって健康さ、鋼の肉体は伊達じゃない……って、あっさり成仏しやがったよ。まあでもこっちなら水子として成仏させられるって話だったし、まあ…これで良かったんだ。来世でまた会えるんだから、これで良かったんだ……」
「ところがどっこい粋な計らいありありですよねこれ!!」
「うわっぷ!?おま…ジャック?え?ジャック?え?近所の外国人夫婦の娘っ子?んでジャック?」
「どうですこの美少女っぷり?自分今ジャクリーンです。いやまさか逝ったらそうそうに過去に転生しましてね、んでこの時間軸の自分が輪廻に行ったので自分記憶が戻りまして、急いで来たんですよ」
「…………………すまん、頭が追い付かん。そもそも同じ人物が同じ場所にいても平気なのか?」
「まあそれに関しては、片方は記憶が無くもう片方は認識していないのでセーフ!だそうです、いや~日本の神様達は太っ腹ですよね」
「……すまん、衝撃でまったくついていけない」
「まあ、自分も驚きですよ。まさか近所の気になっているお兄さんが先輩さんなんですから、驚きも大驚きですよ」
「嬉しい様な…シリアスな展開で終わって欲しかったような…もう少し間を開けて来るってのは無しだったのか?」
「無しです、待てません、今すぐ言いたかったんで」
「……何をだ?」
「また会いに来ましたよ」
「そして私こと香里はハッピーエンドで終わる二人を祝福しつつ、ジューダスマイフレンドを妬み、嫉み、恨みだけど幸せになれてよかったね!などと無理矢理納得しつつ何時か私にも春が来るのを祈りながら草葉の陰から二人を見つめるのであった」
「また会いに来たよ」 以星 大悟(旧・咖喱家) @karixiotoko
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