桜の木の下で

 あらすじに惹かれて読んでみました。

 なかなかに想像力を要する、昨今のわかりやすい描写のものとは一線を画した作品です。世界観の説明はないし、半ば以降の展開もとりたてて説明はなく淡々と、あっさりと進んでいく。アクションシーンすらさらりです。徹底的に骨組みだけで構成されている感があります。
 が、ミーツ・ガールの王道ストーリーの下地になっている幻想的な世界観や、主人公の十代らしい視点の描写による作品全体の空気がいい。一話あたりの文字数も少ないので、さくさく読める。じっくりと場面を考え空気を味わいながら読む。そういう作品だと思います。