元助が通り魔を行った理由
第5幕元助が通り魔を行った理由
元助「俺が通り魔を行った理由は人生の全てを終わらす為だ」
美咲「人生の全てってどう言う意味よ」
元助「祖父母も親も俺がフリーターになる頃には死んでしまったんだ。親戚とは元から年賀状を送り合うぐらいだけの仲で、そんなにすぐに頼れるかと言ったら、そうじゃない。なにを言いたいかと言うと、低収入でお金をやりくりするだけでその日を生きるのも大変なんだ。それで頼れる人はどこにもいない。だから生きるのに疲れてしまったんだ。もうなにもかも終わらす為に通り魔をすることにした」
美咲「同類ね」
元助「同類?」
美咲「人生に終止符を打とうとしたところが私と同じってこと。疲れたのでしょ?私も生きるのに疲れている。だから死にたいの。元助はきっと私と同じく人生に絶望しているのだと思う。だけどだからと言って人を殺していい権利なんて無いわ」
元助「そうだよな…。俺は間違っていた。でも待てよ。美咲もそれだったら俺に殺されずに死ぬことはないだろ」
美咲「元助は本当は人殺しをする為に渋谷で暴れた訳じゃない。最初から計画の内に最後は、警察に捕まって牢屋に入ることが目的だったのでしょ?それが人生の全てを終わらすと言うことでしょ?それでも元助は人殺しをするのよ。私を殺すの。私は学校にも家にも居場所は無い。だから死なせて」
元助「美咲の言う通り殺す気は最初から無かった。暴行罪とか傷害罪とかで捕まって刑務所生活する予定だよ。だから美咲も俺は殺さないし死なせない」
美咲「これ以上は罪を被る気は無いのね?」
元助「その通りだ」
美咲「イヤよ。私を殺して。決断させてあげる。本当に殺すか殺さないかを」
元助「美咲は死ぬ必要は無いよ」
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