既知の世界を越えた場所

プラネタリウムに魅せられた女の子。
彼女が少しずつ成長していくのを追ったストーリーだが……。

ある地点から一気に『既知の世界を越えた場所』へと飛び出す。
それは物理的な空間ではなく、時間軸を基準にしたものではあるが。

その一行に達した瞬間、私はゾワッと鳥肌が立つような感覚に襲われた。
リビングのドアを開けたらそこが宇宙空間だったかのような……
それは『解放感』ではなくて、なんと表現したらいいのだろう、どちらかと言うと『不安』と『期待』と『恐怖』と『喜び』……ああ、『畏怖』が合ってるかもしれないな。
宇宙空間に放り出されたような感覚だった。
それなのに、すぐそばには仲間や家族の暖かさがあって。

なんともスケールの大きい、それでいて手の届くところにある人の温度を感じる、不思議な物語だった。

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