人狩り ～輪廻草～

　人類の文明が幾度か崩壊した後の世界。
　大樹と呼ばれる不思議な樹木に覆い尽くされた大和の国で人間・言葉を話す獣・精霊が共存して暮らしていたが、人間の中には、少数ながら獣や精霊に危害を加える者がいる。
　そんな人間を狩る「人狩り」と呼ばれる狩人によって世界の秩序は、保たれていた。

　人狩りのヒスイは、歩けど歩けど森を抜け出せずに難儀していた。
　精霊や獣の悪戯であると考えたが、原因は大樹から生まれた輪廻草と呼ばれる植物であった。
　輪廻草の群生地を見つけたヒスイは、そこで人の少女と精霊が話をしている場面に出くわす。
　幸せそうにしていた少女だったが、事態は思いもよらない方向へと急転する――。

　KAC2020 ～カクヨム・アニバーサリー・チャンピオンシップ 2020～参加作
　テーマ：「…続きを読む