あとがき(作品テーマや企画意図等)

ここまでお読み頂きまして、ありがとうございます。


本作はバレンタインSS(といいつつ、バレンタイン要素は無いですが)として、企画~執筆まで三時間で仕上げておりますので、様々粗があったかとは思いますが、いくつかのテーマを持って書かせていただきました。



ひとつめのテーマは、人間関係の難しさ。


誰しもが経験することですが、人間関係は本当に面倒なことの連続です。

本音だけで生きていける人間なんていませんし、建前だけのハリボテでは本人も疲れてしまうでしょう。

ただでさえ超効率化社会に生きる私たちは何かとストレスを溜め込みやすいですから、人間関係は老若男女問わず誰しもが抱える悩みだと思います。



次に、大人とは何か。


子供を見ていて、眩しく感じたことはありませんか。

きっと、大人になって我々は何か大切なものを失ってしまったのではないか。それを見つめ直すきっかけになってほしい、というのも本作のテーマです。

素直に生きる。それはきっと、大変なことでしょう。会社等の組織に縛られ、家庭に縛られ、がんじがらめになった大人たち。

美辞麗句を並べ立てる一方には、批判、誹謗の嵐。

「大人になることは、我慢すること」。

それはきっと間違ってはいない。でも、子供心だって忘れてはいけないと思うのです。




主人公の"能力"を考えれば、ファンタジー系のジャンルとしてもよかったかもしれませんが、あえて現代ドラマの区分で投稿しました。

これは、テーマの方向性を考えてのことです。


「色の無い男の子」は、主人公が見た幻なのか。作中ではあえて触れていませんし、書いた私とて正解は持ち合わせていません。


彼は主人公の心そのものであり、セカイそのものなのかもしれません。あくまで考察例ですが。



人とのつきあい方、物事との向き合い方、等々、皆様が何かしらを見つめ直すきっかけになれば幸いです。





あとは……そうですね、

なぜ題材に吹奏楽を選んだのか、ということについて書いておきます。


単に、私が中学生時代に吹奏楽部だったから、(下調べが要らない)ということ、そして人間関係が比較的ドロドロだから、という理由なのですが……。


吹奏楽コンクールも、アンサンブルコンテストも、実在の大会です。


吹奏楽コンクールの賞について、吹奏楽部に関わりのない方はご存知ないかもしれませんが、金、銀、銅、努力に別れているというのも実際の話です。

(地域によっては金銀銅のみ、或いは努力賞の下に"賞無し"が存在するところもあるようですが)



運動部同様、実力が物を言う環境ですから、特に人数の多い吹奏楽部の人間関係はドロドロです。(特に女子)

こればかりは本当に男に生まれて良かったと何度も思った記憶がありますね(笑)




SSのため各人物の掘り下げはしていませんが、吹奏楽という題材がリアリティーを持たせるには丁度いいように思い、このような形となりました。

少しでも伝わっていれば良いのですが……。



最後になりますが、お読み頂いた皆さん、ありがとうございました。


なんだか最後まで煮え切らなかったようにも思いますが……少しでも楽しんでいただけていれば良いなあと、そんなことを思いつつ、筆を置かせて頂きます。

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