第32話

「じゃ、写真取りますよー」




 夜、俺らは無事にイエローナイフの市内に到着した。


オーロラの映り込む湖を背景に、黒木さん、白鳥さん、それぞれ2人の写真を取る。




「じゃ、取りますよー。 はい、チーズ食べたいな」




「ちょ、長っ」




 白鳥さんが変な顔の所でシャッターを切る。


狙い通りだ。


すると、黒木さんが言った。




「何か飯食ってから帰るか」




「賛成!」




 みんなで店に向かう。


つか、帰りのチケットは? と思うかもだが、幸い、帰りの分は配布済みで、飛行機は後3時間後にイエローナイフ空港から飛び立つ予定だ。


その後、バンクーバーから成田空港へと向かう。




「目に焼き付けとかないとな」




 店に向かう途中、もう一度、夜空を見上げた。




「……来て良かったな」














 最良の日はいつかはやって来る。


目的はいらない。


毎日生きてれば、それでいい。














終わり


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野良猫ノラオ @moga1212

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