賢者の石

子供の頃、ある本にどハマりした俺は、「賢者の石が欲しい」としょっちゅう言ってた。

するとある日、爺ちゃんが黄色い小石をくれた。

「すごい賢者が、痛みを堪えて体内で作った魔法の石だ」

って、声を潜めて教えてくれた。

あれから10年。

医学部に進学した俺は、切実にジジイを恨んだ。

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140字の淡くて儚い物語集 淡 湊世花 @nomin

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