『平家物語』から、最強女武者・閑(しずか)が誕生した!

古代中国の世界的名著『史記』から女軍師・張良を誕生させた杉浦ヒナタは、今度は、日本の国宝的名著『平家物語』から最強女武者・閑(しずか)を誕生させた。
女軍師・張良はあの漢を建国した劉邦を足蹴にし、今度の最強女武者・閑は、あの国民的ヒーロー源義経を、フルボッコに殴る、殴る…。

その恐れを知らぬ(いや、ただ、強い美少女が好きなだけ?)杉浦ヒナタの作家としての心意気に、読者は感服するしかない。……というか、大笑いしてやってください。ほんとに『カクヨム』の作家であるということは、楽しいなあ。そして、読者もまた楽しい。
筆一本で、いやキーボードの一つあれば、『史記』も『平家物語』も思いのままに凌駕できるのだから。

しかししかし、最強女武者・閑と情けない義経の関係を大笑いしながら読み進めているうちに、読者は気づく。滅んでいく平家公達の美しいまでのカッコよさと、兄・頼朝との確執から自滅していく義経と弁慶主従の悲哀に。これは、やはり作者の筆力のなせる技だと言わざるえない。

そして、最終話でもまた読者は気づくだろう。最強美少女好きの裏に隠された、作者の真の優しさに。