とてもディテールの素晴らしいイタリア料理の掌編小説。料理小説の正しい効能は、読み手の鼻の奥に正しく料理の味を再現させられるか否かにある訳だけれど、本作はそれは見事にそれを成している。結果読み手である我々は、いますぐにでも雪の通りを乗り越えて、「ひさしぶり」とあの店に行かなくてはならなくなる。そうせざるを得ないほど見事なグルメ小説の一編である。グラッツェ!
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