この世に対するメタの極地

 この小説は、現代社会に対するメタから成り立った世界観に始まり、そして登場人物達がその世界観に対するメタを突き付けていく。
 いま我々が生きる世界を、とにかくまるごとメタってしまったようなこの世界観と物語が伝えるメッセージは、正にメタの極地のように思えて深く突き刺さる(個人的には、Vaporwave的なパラドクス感も感じられた)。