第4葉 実はネクタイの正式な結び方は85通りもある
「あ〜気持ちよかったね、お風呂」
「天にも昇る心地よさ」
「言い過ぎじゃない?」
私たちは、お風呂を満喫した後部屋に戻ってゆっくりしていた。
もちろん、お風呂でムフフな展開になりましたよ。
はい、嘘です。そんな事ないです。
「みーちゃん、髪まだ濡れてるよ。ほっとくと風邪引くよ?」
「あぁ、これは部屋の湿度を調整するためにわざと乾かしていないんですよ」
「馬鹿な事言ってないでこっち来て」
馬鹿な事とは中々言ってくれる。
「ほら、早く」
先輩は椅子に座りながら自分の太ももをパンパンと叩き私を招いていた。
「先輩その行動は可愛すぎます」
「え?」
「わざとやっているのだとしたら、あざとい女ですね」
「ごめん、なんのこと?」
「この天然たらしロリ女」
「馬鹿にしてることはわかったよ」
だってそうでしょ!風呂上がりでちょっぴり頰をピンク色に染めて椅子に座りながらドライヤーを持ち首を少し傾げておいでおいでしている。
私が女好きだったらもうイチコロだったであろう。
「でも何だかんだちゃんと乾かしに来てくれるとことか、みーちゃん可愛いよね」
「えぇ、まあ、私はクラスで「みーちゃん、まじハンパないって!」と言われたくらい可愛いですからね」
「それは、多分みーちゃんのサッカーの上手さに驚いたんだと思うけど」
ゴォアアアアー
「そういえば思ったんですけど」
「んー?なにー?」
ドライヤーの音が少しうるさいのでほんのちょっとだけ大きな声で喋った方がいいのかな?
「そういえば思ったんですけど!!!!」
「わ!ビックリした!そんな大きな声出さなくても聞こえるよー」
「ですよねー」
私も私の声にビックリした。隣の部屋とかにも聞こえたんじゃないかなぁ
ゴォアアアアー
「それで?思ったことって何?」
「何で先輩は、私に少し遠慮してるんですか?」
「え?」
実はこれは前々から思っていたことだ。
「先輩は友達といるときもっとテンション高いじゃないですか?」
「あ、いや、それは」
「もしかして、私のこと嫌いとかならはっきり言ってくださいよ」
「いやいやいや、そんな訳じゃないんだけど」
「ホントですか?」
「それは本当に信じて私はみーちゃん大好き」
それは良かった。
「じゃあ何で遠慮してるんですか?」
「実は…」
「実は?」
いつのまにかドライヤーの音もしなくなっている。
「先輩感を出したかったからです」
は?
「何を言ってるんです?」
「いや、だからなんていうのかなあたし今まで部活とかしてなかったから後輩とか出来たことなくてね」
「はぁ」
「だから始めて可愛い後輩が出来たから年上らしく先輩らしくありたいなぁとか思ってて」
「先輩ってアホですね」
この先輩はやはり可愛い
「いいですか?私は四月に始めて会った時から先輩のことを」
「あたしのことを?」ゴクリッ
「可愛い妹のような存在としか見てません」
「えええええぇー!」
「何だったら敬語を使ってるのも妹のように接したら可哀想なので使ってるだけです」
「えええええぇー!」
「ぶっちゃけ先輩の事先輩と思ったことはないですね」
「えええええぇー!ぶっちゃけすぎだよー!」
先輩は椅子の上で声を荒げた後、急に黙り込んだ。
あ、あれ?ちょっと言いすぎたかな?
「先輩?どうしまし」
「よーし、えい!」
ワシャワシャワシャ
「あ、ちょっと、何してるんですか?」
「ふふーん」
急に私の髪をいじり始めた。人に髪いじられるのちょっと気持ちいいよね、グヘヘ
「出来たー!」
「何が出来たんです」
「教えなーい」
急に声のトーン変わってるよこの先輩。
「先輩キャラ変わりすぎじゃないですか?」
「遠慮しなくていいって言ったのはみーちゃんだよ?」
「いや、そうですけどね」
「だから、覚悟してね?」
先輩ははにかんでそう言いベットに潜り込んで「寝よ寝よ」と言い始めた。私は結局何をされたのかわからなかったから洗面台に行き鏡を見てみると、
何と髪に四つ葉のクローバーが出来ていた。
「何これ?全然直せないんだけど」
どうやって四つ葉に結んだのかわからないので、諦めました。しかしやっぱり悔しいのでベットで寝ている先輩の両瞼を引っ張ってやった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます