四つ葉には何が宿る?

マドロック

第1葉 実は電柱の中は空洞


「全然見つからなーーい!」


 年の瀬の、寒さの身にしみる季節になりましたね。


 こんにちは、有栖川ありすがわ 水晶みあきです。私は私立星花女学園というとこに在籍している1年生です。


 これからは星花学園と呼ぶけども、星花学園は中等部と高等部があります。中高一貫校と言ってもいいでしょう。


 そして、中等部には学科ごとにクラスがわかれていませんが、高等部からは、学科ごとに組で分かれています。


 高等部普通科は1〜4組、商業科は5組、服飾科は6組に分かれており、学科が3つもある充実した学園と言えるでしょう。


 さすが私立だね。


「みーちゃん、あったよー」


 何故、私がこの学園に入学したのかというと、実は私はマザコンというものらしくて、お母さんが大好きすぎてお母さんがこのままでは親離れができないと考え私をこの学園に入学させた。


 お母さんの言う事は絶対!


「みーちゃん、またあったよー」


 私の実家からは少し距離が離れていたので、渋々お母さんから離れることにして、星花学園の桜花寮に入ることにしました。寮に入れば誰かしらと一緒に生活が始まると思っていたので寂しくないかなぁという感じで寮を選びました。


 寮に入った時に同室になったのは何故か同級生ではなく、1つ上の先輩でした。

 どうやらその先輩が入った時は人数が足りなく先輩だけ2人部屋に1人という孤独の生活を1年間過ごしたらしいです。


 私が、入った時はそれはそれは歓迎されました。


「あれれ?みーちゃん一個も見つけてないじゃん」


 それが今私に話しかけてきた先輩です。少ししゃがんでいる私を腕組みしながらドヤ顔で見下ろしている。

 でもなんとなくこの先輩はすべてにおいて私より少し小さいので、ちょっとおちょくられたからって嫌な気分になったりしません。


「だってこんなん元々先輩の得意分野じゃん!こんなん勝ち目なんかないじゃんかー」


 私は語尾を気怠そうにいいながら、芝生の上に寝転んだ。


「みーちゃん、制服汚れちゃうよ」


 先輩はそういいながら、私の頭の近くに体操座りで座った。


「これで部屋の掃除当番はみーちゃんに決定だね」

「うわぁぁぁ!いやだぁぁ!」


 実は私たちは、こんな寒い中外に出て掃除当番を決める勝負をしていた。

 普通にジャンケンで決めるのは少しつまらないので、まずジャンケンをして、勝った方が勝負のルールを決めていいことにしたわけだけど、まぁそうそう人の得意分野には勝てないよね。


「はぁ、じゃあ家に帰って掃除を頑張ります!」

「じゃあ、掃除を頑張るみーちゃんにプレゼント!」


 そう言い先輩は私に何か手のひらに乗せた。


「ありがとうございます」


 それは、今回の勝負で取った2つのうちの1つである四つ葉のクローバーだった。









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