圧巻の投稿量が生み出した答えとは!? 新人賞に応募したい人は必読!

小説を書く人であればだれもが一度は考える新人賞への投稿。しかし、誰もが考えるということは当然ライバルも大量ということ。無数の投稿作の中で埋もれることなく、いかにして頭角を現すか? 
ここで普通なら一つの作品に集中してクオリティアップを図るなどと考えそうだが、この作者は全く異質の発想をした。

どうやっても選考には運の要素が絡むし、つまりは確率の問題である。だったら試行回数を増やせばいつかは当たる。つまり「数撃ちゃ当たる」と。

かくして作者による1年と九カ月の投稿戦線が幕を開けた。
ジャンルを問わずあらゆる新人賞に送り続け、その送った作品数はタイトルにもある通り圧巻の96本! ひと月に4本以上という超ハイペースで投稿している計算になる。

ここまでの本数を書くための速筆のメソッド、作品が落選したときのメンタルの保ち方、作品を書くためのアイデア捜しなど、作者がプロデビューに至るまでに行った具体的な執筆方法が紹介されている上に、選考でどのくらいまで進めば編集部から連絡が来るのか? 新人賞に使い回しはダメと言われるが実際はどうなのか? どういった賞に応募すれば作家として生き残りやすいのか? など投稿をする上で気になる疑問への回答も充実している。

現在ではWEB小説から直接デビューするケースも増えているが、やはり受賞デビューというのは魅力的。新人賞に投稿しようと考えている人は必読のエッセイです。

(新作紹介 カクヨム金のたまご/文=柿崎 憲)

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