サプライズパーティ
寝る犬
サプライズパーティ
「今週の土曜か日曜にさ、お前の誕生日のサプライズパーティやろうぜ」
「お前それ俺に言ったらサプライズにならねぇだろ」
「あぁ、そっか、いや土日のどっちにやるか分からないから、まだギリギリサプライズパーティだろ」
「無理やりだな。もうサプライズじゃなくてよくね?」
「いや、サプライズパーティやりたいんだよ」
「だからもう無理だって」
「なんでだよ」
「いいか? サプライズパーティは土曜日か日曜日に開催されるだろ?」
「ああ」
「と言うことは、土曜日にサプライズパーティが無かったら、土曜の深夜の時点で、必ず日曜日にパーティが開かれると分かってしまうわけだ。それはもうサプライズじゃないよな?」
「そうなるな」
「だから土日のうち、日曜日にはサプライズパーティが出来ない」
「そっか、じゃあ土曜日だな」
「土日のどっちかって言ってるのに、日曜日にサプライズパーティが出来ないってことは、必ず土曜日にパーティが開かれるわけだ。それはもうサプライズじゃないよな?」
「……そうなるな」
「だからサプライズパーティは土日には開催されない。わかったか?」
「……えぇ? なんでだよ?!」
「なんでって……今説明しただろ……」
「いいじゃんか! 土日のどっちかにサプライズパーティがあるって言うサプライズだよ!」
「だからそもそも俺に言った時点でサプライズじゃないんだって……」
「だってお前に用事があったら困るだろ!?」
「あぁ、そういえば日曜は用事があったわ」
「そっか、じゃあ土曜日にサプライズパーティな。忘れんなよ!」
「……お前ってさ、ほんとバカだけどいいやつだな」
こうして土曜日にサプライズパーティは開催された。
サプライズパーティ 寝る犬 @neru-inu
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