称賛の中の勇者と、静かに消えた元仲間。二人が出会って、物語は始まる!

魔王を倒して勇者になった少女。
その勇者を、一番最初からずっと支え続けた男。

でも、男の力は勇者にはどんどん及ばないものになっていく。
それでも、彼は裏方として勇者を支え続けた。

そして、認められることもなく田舎に引っ込んで隠居生活を送る男の元に、突如勇者が訪ねてきて……?

というお話。

つまり、勇者が帰らないのは、男の家からなのである。

この作品の魅力は、勇者と男の関係性そのものにあると思う。
男の勇者に対する純粋な好意、尊敬、献身。自分よりずっと強い勇者をそれでも守ろうとするその気持ちが、報われてほしいと思わずにはいられない。

そして、勇者も。純真で天真爛漫な性格をした少女で、男との相性は実際とても良いように見える。

互いの立場を踏まえた上での突然の同居生活。観ていて切ないような、むず痒いような。
そんな気持ちになることうけあいだ。

読んだら皆、きっとこう言う。
「いいからもう、帰るな!」

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