完走記念にレビューですよ。
試験運用、という名目で始まったこのシリーズですが。
蓋を開ければ、とっても甘々なラブコメかつ、序盤の再会、中盤のいろいろ、終盤の決着のつけ方まで、丁寧に過程が書かれている傑作です。
同時に、事に当たるにあたって、入念な準備を行うことがとても大事だと思わされた作でもあります。
そんな苦労人の主人公が、報われて良かった。末永く爆発しましょう。
冗談はともかく。
作品の内容以外でいえば。
こんなにも面白いにも関わらず、更新ペースがまったく落ちなかったのが、とても素晴らしかった。
最初から最後まで、ペースダウンすることなく、ノンストップで駆け抜けてましたので、この2ヶ月間は本当にこの作の最新話の更新が毎日の楽しみに出来ました。
本当に頭が下がる思いです。
当然の如く書籍化も決定ということで、これからの益々の活躍を期待するばかりです。
魔王を倒して勇者になった少女。
その勇者を、一番最初からずっと支え続けた男。
でも、男の力は勇者にはどんどん及ばないものになっていく。
それでも、彼は裏方として勇者を支え続けた。
そして、認められることもなく田舎に引っ込んで隠居生活を送る男の元に、突如勇者が訪ねてきて……?
というお話。
つまり、勇者が帰らないのは、男の家からなのである。
この作品の魅力は、勇者と男の関係性そのものにあると思う。
男の勇者に対する純粋な好意、尊敬、献身。自分よりずっと強い勇者をそれでも守ろうとするその気持ちが、報われてほしいと思わずにはいられない。
そして、勇者も。純真で天真爛漫な性格をした少女で、男との相性は実際とても良いように見える。
互いの立場を踏まえた上での突然の同居生活。観ていて切ないような、むず痒いような。
そんな気持ちになることうけあいだ。
読んだら皆、きっとこう言う。
「いいからもう、帰るな!」