読了すると作品タイトルの良さが分かる。

弥生時代から古墳時代にかけての古代日本。航海に船出した船舶の無事な帰還を祈って、験担ぎの生贄が捧げられたんだと。航海の間、生贄は浜で必死に祈る。海路の安全よりは、自分の為であっただろう。
無事に帰って来ると、その功績を称えて、まぁ色々と良い思いをしたらしいから、生贄と言う表現は適切ではないな。でも、未還に終わると殺されたらしい。その確率は5割を超えたんだろうか。
現代人には理解できない風習だが、その当時の者には神に縋りたいとの強い想いが有ったと容易に想像できる。
でも、手土産無しで神に願う事も憚られ、貧しい者は人身を捧げる。その命は尊かったのだろうか。それとも、所詮は賭事の賭場代程度に安かったのか。
読了後に、そんな事を考えました。

星の数は、短編にはMAX2つが信条だからです。