2019/12/24 20:49

「美味しかったー。コンビニチキンも侮れないね」

「うん、ケンタより好きかも」

「わかる」


 今日はクリスマスイブ、ということで我が家もご馳走にしてみた。

 肝心のチキンはコンビニで買ってきたけど……。

 それでも思っていたより美味しくてびっくりした。私が頑張って作ったボロネーゼより美味しいのではないだろうか……。


「コーヒーいる?」

「うん、カフェオレで」

「はーい」


 凛空はコーヒーをブラックでは飲めない。牛乳を入れるか、砂糖を入れるか。少なくともどっちかをしないと飲めないみたいだ。そういうところを見ると凛空もまだ子供だな、と思う。

 コーヒーマシンから出てきた液体をカップに入れ、片方には牛乳を混ぜる。

 をズボンのポケットに入れ、カップをテーブルへ持って行く。


「ありがと」

「いいえ」


 改めて凛空の向かいに座って、ポケットから取り出したを凛空に差し出す。


「はい、クリスマスプレゼント」

「いいの?」

「うん。大学の入学祝いもあげてなかったでしょ。それも兼ねてる」

「そっか。ありがと」


 凛空が渡した箱を開ける。

 おー、という声をあげて、箱の中身を取り出す。


「ネクタイ、欲しかったんだよね。ネクタイピンまで。ありがとう」


 首に当ててこっちに見せてくる。凛空は童顔だし、来ているのがスウェットなのでちょっと不格好だ。私が見慣れてないだけかもしれないけど。


「おれもプレゼントあるよ」

「えっ、いいのに」


 凛空はしばらく部屋をガサゴソすると、小さな箱を持って出てきた。


「はい」

「ほんとに貰っていいの?」

「うん、そのためにバイトしたんだし」


 なんか、嬉しい。去年もプレゼントは貰ったけれど、今年の方が嬉しい。凛空が私のために頑張ってくれたと思うとちょっと泣けてくる。


「開けていい?」

「うん、いいよ」


 箱を開けると――思わず絶句してしまった。


「……これ、高かったでしょ」

「べつに、梨苑のためだから」


 入っていたのは、ネックレスだった。品のいい、主張しすぎない感じのワンポイント。これ多分ダイヤモンドだ。

 ありがたくつけさせてもらう。


「どう、似合う?」

「うん、思った通り」


 凛空の顔が綻ぶ。つられて私も笑顔になる。


「ありがとね」

「うん、梨苑もありがと」


 来年も、また一緒に、こうやって過ごせたらいいなと思った。

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Melty Days 赤崎シアン @shian_altosax

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